Webプロデューサーのノート

デジタルマーケティング、Webサイト開発を生業としているWebプロデューサーのTipsとかポエムとか

SEO解析ツールの「Ahrefs」で何をするのか? をまとめてみた。

Ahrefs、使ってますか?

ahrefs.com

Ahrefsはエイチレフスと読みます。シンガポールとウクライナの企業が開発したツールのようです。

SEO解析ツールのひとつでここ最近日本でも使われ出したかなーというツールです。

他に有名なツールだとMOZ(旧 SEO MOZ)があると思いますが、MOZより後発なだけあって、Ahrefsの方が少し使いやすいかなーと思っています。

moz.com

今回はAhrefsで何をするか?を書いてみます。使い方ではないです。

使い方はこちらの記事が参考になるかと思います。

promonista.com

nelog.jp

正直、人を選ぶツールです。

SEOの基本やアクセス解析などがわかる人にとっては非常に有益なツールなのですが、わからない人は使い方を説明してもイミフですし、わかっている人は何をするか?を説明すれば使いこなせると思います。

ツールは違えど、SEO解析ツールを使う目的は一緒なので、この記事の内容はそのまんまMOZにも当てはまるかと思います。

そもそもなぜ、AhrefsやMOZなどのSEO解析ツールを使うのか?

先にも書いた通り、この記事にたどり着いた人は恐らくSEOの基本的なことは理解されており、その知識をサイトの改善に適用していると思います。

そしてGoogle AnalyticsやSearch Consoleを使えばオーガニックの流入の増減や流入キーワードの増減は把握できますから、SEO分析ツールが無くとも施策の効果が「うっすらと」はわかると思います。

でも、なぜ自分のサイトが競合のサイトと違って順位が低いのか、どんなところが足りないのかツール無しで説明するのは、なかなか骨の折れる作業かと思います。

Contents is Kingなのは間違いない。でもバックリンクは無視できない。

「コンテンツを頑張っていれば、バックリンクは気にしなくて良い」と言っている人がいたとしたら、その人は難易度の高いキーワードで勝負したことが無いのかな?と思います。

被リンクが今でも非常に重要なのは、この記事を見れば良く分かると思います。

seopack.jp

コンテンツSEOを行っていなくても、被リンクだけでYahooは「退出する」というキーワードで強いわけです。

ブラックハットSEO*1のおかげで、バックリンクと言うと脊髄反射で良いイメージが持てない方もいらっしゃるかもしれませんが、正攻法のバックリンク獲得策も、もちろんあります。

それを競合から学ぼう、そのためのツールの活用方法が今回のお話の主旨となります。

Ahrefsとは?

Ahrefsの日本語のサイトを発見しました。販売代理店のフルスピード社が制作しているのかな。

ahrefs.jp

このページを見ればざっくりは理解出来ると思いますが、特筆すべき点として下記が挙げられます。

  • 12兆もの圧倒的に巨大なリンクデータを保有し、3兆のURLを網羅しています。データベースは現在も増え続けています。
  • 40億のWebページと2億のルートドメインを毎日クロールしており、常に新鮮なデータを提供し続けています。

※2017年1月現在

www.internetlivestats.com

またこのInternet Live Statsというサイトを信じると、現在のサイトの数は約12億なので、Ahrefsの「40億のWebページと2億のルートドメインを毎日クロールしており」を見ると、世界中のサイトはほぼカバーしていると考えられます。

実際に私もAhrefsを使ってみて、日本語のサイトも問題なくクロールされています。 私が運用しているサイトで、競合サイトを調べてみても合点がいきます。

そして、この誰も見ないBlog、「Webプロデューサーのノート」もしっかりクロールされていますしね(;‘∀’)

なので、乱暴に説明すると「データ量は、ほぼGoogle検索」です。

ですから競合サイトのことが詳しく調べられるわけですね。

当記事ではAhrefsの日本語サイトより、Ahrefsを使ってみたくなるコンテンツを目指しますよ!

競合分析で何を見るか?

前置きが長くなりました。本題に入ります。

Ahrefsは世界中のサイトをクロールしていますので、あなたの競合もほぼ間違いなくクロールされています。 競合分析のポイントをここでは上げていきます。

そもそも、どこが強い競合かを調べる。

狙いたいキーワードを登録すれば、どこが強い競合かはわかると思います。

もしかしたらキーワードがズレていて、強い競合を見逃しているかもしれませんが、それは次のチェックで拾えます。

どんなキーワードで集客しているか?

競合がわかれば、競合が自サイトが狙っているキーワード以外でどんなキーワードで集客しているか、どのページが一番集客できているかもわかるはずです。

狙うキーワードはそこでまた、見直しを行えば良いと思います。

また、狙うキーワードによって競合が強すぎて当分太刀打ちできそうにない、というケースもあるかもしれません。 その時は狙うキーワードの見直しの検討を行えばよいでしょう。

競合の集客できているページを見つけて内部対策を参考にする。

SEO内部対策の細かい点は省きますが、

  • どんなtitleなのか?
  • h1、h2は?
  • 文章の長さは?
  • 共起語は何を設定しているのか?

それらを調べて、自サイトに足りない部分を補完しましょう。

「あれ、自サイトの方が良く出来ている」

   ↓ ↓ ↓

その場合はバックリンクの問題が大きいです!

競合のリンクビルディングを参考にする

ポイントとしては、

  • 競合のバックリンクのドメインの数と質
  • 競合がどんな種類のサイトからバックリンクをもらっているのか?

メディア、Blog、ソーシャル、企業サイト、、、

あんまり詳しく言えないのですが、バックリンクをもらうために、サイトどころかビジネスモデルを変えている会社もいるぐらいです。

内容が薄くて申し訳ないですが、私の仕事に差し支えるので、リンクビルティングについてはこのぐらいの言及に留めておきます。

競合サイトがブラックハットをやっていないかチェック!

もし競合がブラックハットをやっているのなら、どしどしGoogleに申請しちゃいましょう。

遠慮することはありません。こちらは真面目にいいコンテンツを作り、正当なバックリンクを獲得しているわけですから。

もしかしたらGoogleのアルゴリズム改善にも貢献できるかもしれません。

競合のソーシャルをチェック

SEOで強いコンテンツってソーシャルも強いケースがあります。 逆もまた然りです。

www.principle-c.com

この記事にある相対CTRというのは、あくまでも私の感覚ですが、SEOの評価の基準として重要度が高くなっていると感じています。

SEOの教科書通りにtitleを付けるとどうしても、重要キーワードの位置や文字数、キーワード含有量など制約が大きいわけですが、それよりもユーザがクリックしたくなるtitleを付けた方が順位が好転するケースがあります。

それは相対CTRが高いから順位が好転している可能性が高いです。

Ahrefsは競合サイトのソーシャルで跳ねているコンテンツをチェック出来ますので、それを参考にすると良いと思います。

また、ソーシャルでたくさんシェアを稼いでいるコンテンツは、バックリンクを多数獲得している場合があります。

当ブログでも役に立つコンテンツはリンク張っていますしね。

注目しているキーワードの新しいコンテンツをチェック

競合も必死です。

日々コンテンツをアップしています。

Ahrefsは狙っているキーワードの新規コンテンツをチェックできます。

それをチェックして、必要ならば自サイトにも入れてしまいましょう。

これを読んでる人には釈迦に説法ですが、丸パクリはご法度です。

せめてコピーチェックツールのチェックは行いましょう。

自サイトのチェック

当然ですが、Ahrefsは自サイトのチェックも行えます。 分析出来る内容は自サイトも競合も特に変わらないので、基本的には先に述べたことをチェックすれば良いですが、特筆すべき点をあげていきます。

自サイトに向けた危険な被リンク

あなたが例え不正なバックリンクを設定していないとしても、競合があなたのサイトの順位を落とすために不正なバックリンクを貼るケースは珍しくありません。

lblevery.com

この記事にもある通り、実はSearch Consoleでアラートが上がり、バックリンクのチェック、バックリンクの否認まで行えますが、私としては自サイトのバックリンクは一通り把握されていた方が良いかと思います。

リンクジュースを渡す

例を挙げながら説明します。

  • 自サイトがワインの通販だったとします。
  • 「白ワイン チリ」というキーワードで自サイトのコンテンツページが5位と良い位置にランクインしました。
  • 5位のページよりもランディングページにしたいのはCVポイントに近い「白ワイン チリ」の商品一覧ページ。

この場合の対策として、コンテンツページから商品一覧ページへ、一方通行の内部リンクを貼り、リンクジュースを渡すという方法があります。

リンクジュースについてはこちらの記事がわかりやすいかと。

web-tan.forum.impressrd.jp

「白ワイン チリ」について、何個かコンテンツを作成し、商品一覧ページへ一方通行の内部リンクを渡せば、意図するLPになるかと思います。

分析ツールがあれば、良い順位のページを発見しやすいですし、LPが意図していないページであれば、この作業を行えば良いと思います。

バックリンクの偏りをチェック

極端な話ですが、トップページにだけバックリンクが張られていると、トップページで狙っているキーワードだけしか強くなりません。

キーワードがシンプルなサイトなら良いですが、あるジャンルでロングテールを狙うなら、いろんなページに対してバックリンクが張られるような施策を考えた方が良いでしょう。

自サイトのいろんなページにバックリンクが欲しい。

   ↓ ↓ ↓

オウンドメディアという方法が有効ですね!

オウンドメディアについては、いずれ深掘りしたいなと思います。

自サイトへのバックリンクのリンク切れをチェック

自サイトのサイト構成を変えたときに、リダイレクトの設定が漏れているケースは少なくありません。

Ahrefsはバックリンクのリンク切れもチェックできますから、過去のバックリンク資産を生かすためにも、リンク切れをチェックしてリダイレクトの設定をしましょう。

参考にするのは競合だけではない!

これすごく重要です! もし、自分の業界がWebとかSEOとかが弱い業界で、競合があまり参考にならないというケースだとさらに重要です。

例を挙げて考えてみましょう。

WebとかSEOが弱い業界、例えば「医療用品の通信販売」と仮定します。

※.なぜ、「医療用品」がSEO弱そうと思ったかというと、「医療用品」で検索しても広告をほとんど見ないからです。 間違ってたら業界の方、ごめんなさいm(__)m

医療用品の通販は、

  1. 購入者は法人というか、病院。
  2. そこそこ多品種。
  3. 商品に結構説明が必要。
  4. 法律とか厳しそう。

という感想をもってますが、要はB to Bだと思います。

「B to Bで競争が激しい業界のリンクビルディングは参考になりそうかな」という仮説をたてて、別の業界のことを調べることは非常に有用です。

私だったら「家具の卸」とか調べるかな。なぜなら広告が多いんです。

「3. 商品に結構説明が必要」については例えば「美容」業界が参考になるかもしれません。コスメなんかはほとんど液とか粉なので、説明が無いと売れない商材です。

※.美容業界の方、言い方が悪くてごめんなさいm(__)m。実は私も美容業界経験者なので許してください。

もしくは同じ医療の括りで、「医療系人材の転職」業界もアリかもしれません。 ビジネスモデルは違いますがターゲットは近いので、コンテンツの作り方は参考になると思います。

コツとしては、商材は違ってもビジネスモデルが近いサイトの方が参考になると思っていますが、最初のうちはたくさんのサイトを調べてみることをお勧めします。

競合分析は果てしない!

ここまで読んでいて、これを競合の数、キーワードの数だけやるのは大変かと思ったと思います。

そうなんです!競合分析は果てしjぴgじゃpjgp@zj@fがpぎじゃ

競合のレベルや集客に掛けている広告費などを鑑み、場合によってはSEO分析、競合分析の専任を設けても良いと思います。 コストは掛かりますが、広告はフローSEOはストックです。 上手にバランスを取ることが重要です。

SEOって一番重要なのは経営判断なんです!

番外編、順位をチェックするのみのツールはどうなの?

seopro.jp

あまり、キーワードのバリエーションが無い時は、このGRCという日本製のツールもアリです。 基本的には順位チェックのみの機能ですが、何と言っても圧倒的に価格が安いのが魅力です。

GRCのコスト:年間で4,860円~(2017年6月現在)

AhrefsやMOZに無い機能については、くまなく競合サイトを調べればカバー出来なくはないです。

何を選ぶかは、キーワードの量、難易度、調査コストのトレードオフで考えればよいと思います。

最後に

AhrefsやMOZはあくまでも分析ツールです。 分析をいくらやっても実行に移さなければ改善になりませんので、何をやるか?を考えることは大事なことです。

当記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

そして、実は私も日本の会社で分析ツールを開発していた時期があります。プログラマとして。

どちらかと言うとエンジニア目線の方がAhrefsやMOZの凄さに驚きます。

SEOの分析というのはデータの量は半端ないし、分析する軸も多様だし、そしてこれが1万円/(月)台~で利用出来るのはどうしてだ!となるわけです。

Ahrefsはエンジニアとしての自分の力量がある意味良く分かったツールでもあります。

おれってもっと出来る奴だと思ってたよ。。。

*1:ブラックハットSEOとはGoogleの穴を付き、検索上位に表示させるテクニックです。「ブラックハットSEO」で検索すれば情報はたくさん出てくるでしょう。