Webプロデューサーのノート

デジタルマーケティング、Webサイト開発を生業としているWebプロデューサーのTipsとかポエムとか

アフィリエイトが検索面を汚す問題の根本的な解決法は、ASPの審査にあると思う

デジタルマーケティングにおいてアフィリエイトを利用しているマーケッターは多いと思いますが、アフィリエイトの問題として、

  • 成功報酬のためなら嘘表現や根拠が乏しい表現でも構わない
  • ブラックハットSEOが蔓延

この辺は本当に問題かと思います。

前に友人に頼まれて、とあるジャンルの数サイトをチェックしたのですが、ブラックハットSEOだらけでした。比較サイトのアフィリエイトが多かったのですが、その内容も根拠が乏しいものばかりです。

一昔前にアメブロのステマで叩かれている芸能人がいましたが、影響力が強いから叩かれるのであって、影響力が弱いアフィリエイトサイトはまだまだ野放し状態かと思います。

そして情報の根拠が乏しい、ブラックハットSEOを駆使したアフィリエイトサイトで検索面が汚れている状況は非常に良くないと感じています。

私自身はアフィリエイターではないですが、アフィリエイトをマーケティングで利用する広告主の側として、今回はこのアフィリエイトについて軽く考察したいなと思います。

アフィリエイト広告が出稿されるまで

こちらにわかりやすくまとまっています。

liskul.com

簡単に言うと、「広告主の商材をアフィリエイト提供会社(ASP)を経由し、アフィリエイターが広告主のサイトに送客し、購入に至れば成功報酬が発生」となります。

ASPを経由する意味としては、

  • ASPの方で広告主の商材を多数取り揃えている。
  • アフィリエイターのサイトを経由して購入にいたっかをトラッキングする仕組を持っている。

力のあるアフィリエイターの場合だと、自分でトラッキングするサーバを持っている、レンタルしているケースがあるので、アフィリエイターと広告主と直接契約しているケースもあります。

そしてアフィリエイトは広告なので審査があります。ASPによって異なる部分はあるのですが、ASPに登録する審査と商材を紹介するサイトの審査の2種類あります。

審査の話はこのBlogにまとまっているので参考に貼っておきます。

anshinmoufu03.tokyo

情報商材によるグレー&ブラックなアフィリエイトサイトが大量に発生

冒頭に「検索面が汚れる」と書きましたが、これを引き起こしている主な原因が情報商材かと思います。

私は情報商材を購入してSEOを学んだりアフィリエイトを行ったことはないですが、アフィリエイターのBlogを見ていると、だいたい察しが付きますよね。あー情報商材でブラックハットSEOを学んだのかと、、

ブラックハットSEOは解析ツールで簡単に見破れます。

SEO解析ツールについても当Blogで書いていますので、良かったら見てください。

kinjo.hiroshi.world

情報商材とは何ぞや?

わからない方は情報商材がたくさん並んでいるinfotopのサイトを見ると良いでしょう。

www.infotop.jp

独特の雰囲気ですよねー。「稼ぎたい!」という人が購入する情報商材が多数並んでいます。

これも「やせたい」、「健康になりたい」、「綺麗になりたい」といったコンプレックス商材のひとつに並ぶのかな。

この情報商材の中には投資の商品や教育の商品もありますが、アフィリエイトやSEOといった商品も多数並んでいます。

ちなみにこのinfotopの売上は2015年時点で19億あり、買収されたようです。

affiliate-review-blog.com

この情報商材、誰が買うんだ!って思う人の方が多いと思うんですけど、これで19億売って、営業利益5億ですか、、、

情弱商売はまだまだ現役です!

問題はASPの広告の審査

私は過去にコスメ通販の仕事をしていたのですが、コスメは薬事法の対象となり、商品の表現には厳しいルールがあります。 例を挙げると、スキンケアの商品で使用前、使用後の写真を並べることも難しいです。

健康食品やサプリも同じ薬事法のルールが適用されるので、コンプレックス商材を扱っている人は薬事法に詳しいと思います。

これは広告の表現にも当てはまり、媒体に広告を出稿する際も媒体側の審査を受けます。

アフィリエイトの場合はASPが審査をするのですが、この審査が緩いです!

なぜASPの審査は甘いのか?

ASPの広告の審査が甘いのはASP自身が媒体を持っていないことが、大きな要因だと思っています。

完全に私の主観ですけど、説明しますね。

媒体があるケース、例えば、広告の審査が厳しいと言われているSmartNewsで考えてみます。

もしSmartNewsが根拠の薄い広告の出稿を大量に許してしまうと、ユーザにとって安全なサイトではなくなってしまいますから、SmartNewsという媒体自体の価値が下がってしまいます。 一時は広告収入が増えて潤ったとしてもユーザが離れていき、最終的にはSmartNewsの不利益となってしまうと思います。

一方でASPは広告主の商材を紹介するサイトはありますが、それ自体はユーザが見るサイトではなく、アフィリエイターが見るサイトです。

アフィリエイターにとっては広告の審査が緩い方が利便性が高いわけで、審査をしっかりする!、というモチベーションが働きにくいです。

しかもASP間でも競争はありますから、しっかり審査をする真面目なASPの方が損をします。

あと個人的にはブラックハットSEOの審査も行って欲しいです。あいつもやってるから、おれもやる、という形で蔓延していると感じています。

というか、ASP自身がステマを推奨しているぞ!

この記事を読めばASPの広告の審査のモチベーションの低さはわかるかと。

ジャーナリズム精神溢れる良記事です。

www.buzzfeed.com

この記事を簡単に要約すると、

  • 複数のASPがインセンティブを付けて、アフィリエイターのステマを煽るキャンペーンを打ち出した。
  • 一般消費者だけでなく、広告主も被害者。
  • BuzzFeedの記者がASP業者の改善&お詫びを引きだした。

質の悪い比較サイトのアフィリエイトが増えた理由の一端は、ASPにもあったんですね。

Googleを批判するのはちょっとズレていると思う

この問題の批判の矛先がGoogleに向くときがあります。

ステマ問題と言えば、DeNAのWELQ問題を思い出しますが、その時もWELQを作ったDeNAの批判とともに、Googleが嘘記事を上位表示してしまうことについて、問題定義をする意見が見られました。

それに対してGoogleはまだ日本にはまだ普及していませんが「ファクトチェック」というソリューションを導入しました。

ただこれは、基本的には第三者の人力のチェックなので、まだまだ機械による情報の信頼性のチェックは難しいようです。

www.itmedia.co.jp

アフィリエイトの場合も信頼性の無いサイトがGoogleで上位表示される例が散見されますが、アフィリエイトの場合はASPの審査がその前にあるはずです。

アフィリエイトも立派な広告ですので、信頼性の無いサイトが上位表示される問題全てで、Googleを批判するのはちょっとズレているなと思うわけです。もちろんGoogle先生には頑張ってほしいですけど。

アフィリエイトの未来

筆者は別にアフィリエイトサイトが嫌いなわけではありません。

むしろ一般消費者としてAmazonアソシエイトで何度も買い物をしている方ですし、本業の方でもアフィリエイトを利用して、集客に利用したこともあります。

そしてアフィリエイトの市場は今後も伸びていくようです。

yakujihou-marketing.net

今後も増えていくからこそ、ASPにはアフィリエイトが一般消費者にそっぽを向かれないようにしっかり審査をして頂きたいし、広告主側としても根拠のない情報で不利益を被らないようにしっかり審査をして欲しいとも思います。

最後に

なんか当記事もBuzzFeedに触発されてジャーナリズムを発揮してしまいましたが、少し保険をかけます。

※この考察は私個人の考察であり、私が所属する企業の見解ではありません。