ZOZOTOWN(スタートトゥデイ)のIR情報から学ぶWebサービスにおける管理会計、そしてレポートの目的
なぜWebサイトの運営でレポートを作るのか?
Webのレポーティングを仕事としている人はたくさんいらっしゃると思いますが、本稿ではそのレポーティングの目的に立ち返る話をしたいと思います。
筆者なりの結論をひとことでまとめると、
なぜレポートを作るのか→管理会計のため→経営のため
だと思っていて、そのためにレポートを作っています。
なんとなくGoogle Analyticsなどのアクセス解析ツールで数字を見たり、上がってくる売上の数字は見ているんだけど、それをどう生かすかわからない方向けに書いてみたいと思います。
管理会計とは?
管理会計という言葉についてはわからない方はこちらが参考になるかと。
まず管理会計の反対語、財務会計についてですが、これは主に売上、利益、経費、資産、負債を管理するものです。 会社を運営する上で必ずやらなければいけないものです。これやらないと納税も出来ませんしね。
財務会計は会社の経営状態を見るものとしては有益なレポートですが、このレポートからどんな施策が良かったのか、悪かったのか、理解するのは困難です。 ただし、事業そのものの利益率が良いとか、売上の割に社員が多い・資本が多いとか、販管費が掛かりすぎとか、在庫抱えすぎとか、そういった情報はわかるのでWebプロデューサーはもちろん財務会計も把握した方が良いです。
そしてWebサービスにおける管理会計について話を移します。
ここでは話を分かりやすくするために、ZOZOTOWN(スタートトゥデイ)のIR情報をベースに話したいと思います。
ZOZOTOWNのIR情報は通販に携わっている人は絶対に見るべき情報です。 そして、自社のサービスのレポートを作成したとき、ZOZOTOWNの凄さがもっと理解出来ると思います。 あやかりたいですね。
以下、ZOZOTOWNの「2018年3月期 決算説明会資料」見ながら進めていきます。 https://image-contents.s3.amazonaws.com/wp/wp-content/uploads/2018/04/20180427_2018Q4_J.pdf
ランチパック!
ZOZOTOWNヤバい
管理会計の話に入る前にこの資料から読み取れる、ZOZOTOWNの凄さを筆者なりに考察してみます。
- 年間700万人を超える購入者はもちろんすごいが、それ以上にアクティブ会員の年間購入金額、年間購入点数が化け物。リピート率がヤバい。アパレル通販経験者ならこのヤバさがわかるはず。
- 昔と比べたら買取ショップ率が減って、受託ショップがほとんどとなっている。これはアパレル業界では有名な話ですが、ZOZOTOWNは在庫を抱えてないんです!売れ残って損害を出す心配が無いとも言えます。
- 売り上げが上がる時、販管費(プロモーション費用)の比率が上がる会社も多いですが、販管費率はずっと低水準をキープ。
- 会員の年代比率が意外と言ったら失礼だが幅広い。30代後半も多い。出店ブランドが増えてきて網羅性が高いのも要因かもしれない。これは過去の年代比率と比較したら関連がわかるかもしれない。
他にも、設備投資が増えているのはZOZOSUITの影響なんでしょうか、気になる点、称賛すべき点はまだたくさんあるんですが、この辺にしておきます。 最近のZOZOTOWNのニュースと言えば、ZOZOSUITであったり、前澤社長の恋愛事情であったりしますが、アパレル不振と言われる昨今でも経営状況は本当に盤石ですね。
ランチパック!
管理会計で登場する言葉
これは決算説明会の資料ですから、販管費とか営業利益とか財務会計で出てくる言葉も登場しますが、ネット通販における管理会計で、よく登場する言葉をピックアップしてみます。
- 年間購入者数
- アクティブ会員数
- アクティブ会員1人あたりの年間購入金額、年間購入点数
ほかにも登場する言葉はありますが、この辺にしておきます。
もしかしたら会員数などは管理会計の項目じゃない、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、管理会計は財務会計で意思決定が難しいという背景から生まれたものだと思っていますし、企業独自で決めていいものです。 実際ZOZOTOWNの内部でどう決めているかはわかりませんが、売上の伸びと会員数・リピート率・客単価は連動しますし、分けて管理する方が面倒ですよね。 管理会計は財務会計もINPUTとしてして使いますし、Webの数字をINPUTとしても良いし、経営判断しやすいルールを作れるかが重要かと思います。
前にデータ設計の大事さについて書いたんですが、ここで
「データはクロスさせると価値が出る、これだけは覚えて帰ってください!」
と吼えました。管理会計についてもそれは言えると思います。
財務会計とCRM(顧客管理)と販売管理とWebのデータをクロスさせたら価値が出るわけです。
このZOZOTOWNの決算説明会の資料も財務会計以外の数字が多いですよね。ピックしている数字がセンスを感じる。
KGI・KPIは管理会計と連動する
Webのレポートで出てくる言葉として、PVとかUUとかCVR(転換率)とか直帰率とか離脱率とかいろいろありますが、何のためにそれらの数字を改善するのか、立ち返るための管理会計とも言えます。
目標(KGI)として「売り上げを上げよう!」だとざっくりしすぎだし、「UUを上げよう!」だとそれが売り上げにつながるか、関連が掴みにくいです。
例えば、リピート率を上げるための施策として、メルマガは重要ですが、メルマガからの購買を〇%増やすという目標(KPI)を立てたとして
- メルマガの開封率が上がるようなタイトルを付けよう!
- メルマガからランディングしたときのCVRを上げるために、セール品をレコメンドしよう!
- メルマガからの購買をセグメントを切って分析し、悪いセグメントは原因をさぐろう!興味のない商品をレコメンドしているかもしれない。
こんな施策・対策を考えたとします。
そうするとそれに必要なレポートも自ずとわかると思います。 単純なセッション数やCVRのレポートでは良し悪しはわかりません。
そして、こういった施策の積み重ねで「アクティブ会員1人あたりの年間購入金額、年間購入点数」が向上していくわけです。
つながっているんですよー!
管理会計と繋がらないレポートをわざわざ作るのはもったいないというか、分析ツールの画面で十分だと言えます。
ランチパック!
アメーバ経営は管理会計の発展
「アメーバ経営」という言葉、聞いたことはありますか?
これは京セラ、KDDIの創業者である稲森和夫氏が作り上げた経営手法です。 稲森和夫は経営破綻したJALの再生も任された人で「経営の神様」とも呼ばれていますね。 「アメーバ経営」について、ここでは細かい話は避けますが、京セラでは部門別・事業別の数字を末端の社員まで把握していて、組織全体で経営に参加する意識があるわけです。
「アメーバ経営」の仕組みやシステムなどは書籍を読んで欲しいのですが、このアメーバ経営で共有する数字は財務会計の数字というより、管理会計の数字になります。 やはり事業の目標を立て、その数字を達成するための共通言語として財務会計だけだと使いにくいんです。
(個人的には日本の経理のシステムは本当にダメだと思っています。ずっと変わっていないし。いろいろ言いたいことはありますが、一番の問題は経理が管理会計に理解がない!だから変わらないとも思います。)
本稿では「レポートの目的と管理会計」というテーマで書き始めましたが、管理会計は経営のために重要なのはわかって頂いたと思いますし、そのネタとなるレポートも経営のために重要なわけです。
目的もわからずに、ただ作業としてレポートを作っているのは非常にもったいないです!
最後に
ZOZOTOWNのIR情報は本当にわかりやすいし、通販ビジネスにおいて、どこが重要な変数か管理部門がわかっているし、インターネット企業で働く人は一度は見ることをお勧めします。
ランチパック!
Webエンジニアがビジネスの理解にも使えるリボンモデル
前回、こんな記事を書いたんですが、
この記事で下記2点が重要だと書きました。
- UI/UXも大事だけど、どんなデータに価値があるのかを考えなければいけない。
- それにはエンジニアのビジネスの理解が重要。
じゃWebエンジニアはどんな形でビジネスを理解すれば良いのかを、筆者なりの方法を書いてみたいと思います。
業務フローを書く前に考えて欲しいモデルがあります
システム開発には業務をシステムに落とすための方法論があります。ユースケースや業務フローを書くとかですね。ユースケースはこんな図ですね。
ただこれらはビジネス側とエンジニアリング側で共通理解を得た上で設計に落とし、システムを構築するための方法です。
少し欠けているものがあります。
- どうやったらサービスが伸びていくか、利益をあげていくか
- 顧客の視点
利益をあげるためにシステムを構築するわけですから重要な視点です。 その時に役立つのが後述するリボンモデルです。
リボンモデル
リボンモデルを知っている人もいるかと思いますが、これはリクルート社がビジネスを設計する手法です。新規事業を考えるときだけでなく、既存事業を伸ばすための分析にも使われるようです。 リクルートは人材、結婚、不動産紹介など様々なサービスを提供していますが、全てこのリボンモデルで説明できます。 リクルートのサービスはBtoCのマッチングサービスが多いと理解していますが、BtoBもCtoCもリボンモデルで説明できます。
もしあなたが開発しようとしているシステムがこのリボンシステムで説明できるなら、ぜひリボンモデルを書くところから始めて欲しいです。
リボンモデルの説明は下記ページが参考になるかと思います。
試しにリクルートの転職サービスである「リクナビNext」のリボンモデルを書いてみました。
凄くさっぱりとした図ですね!でもがっかりしないで最後まで読んでください!
この図のマッチングというのは「企業が人材を採用する」になるかと思います。そしてそれを最大化させるために「企業」と「求職者」を集め、動かし(喚起)、マッチングの結び目を最大化したいことを表現しています。
集めて動かしてマッチングです。
マッチング効率だけ上げてもあまり意味がありません。実際、Webサイトの改善を行うときも、まずは入り口のランディングページから修正した方が効果が早いわけですし。
また、図には現れていないですが、利益を最大化させるためにはマネタイズをどうするかも重要です。リクナビNextの場合、それは広告商品の設計かと思います。
「値決めは経営」by 稲森和夫
開発する上でのリボンモデルを書く効果
先ほどの図で意識したいのは、リボンモデルの登場人物としては「求職者」と「企業」のみです。実際は広告営業とか広告を作るライターとか、求職者を集めるマーケッターとか、オペレーションを回す人とか、登場人物はたくさんいるはずですが、身内は出てきません。 一方、いきなりユースケース・業務フローを書く場合、むしろ身内の登場人物の方がたくさん出てきます。 それだと顧客視点がわかりにくく、何を最大化すれば良いのかもブレやすくなります。優先順位も表現出来ません。
要件定義をするときって、関係者と要件を詰めていくことになると思いますが、リボンモデルを理解しているリクルート社員ならまだしも、ほとんどの場合、各々の関係者が全体を把握していて、かつ顧客視点を有しているわけではありません。参考記事にも書いてありますが、プロダクトアウト型(作りての論理)にもなりやすいと思います。
ただし、もしこのリボンモデルを先に定義しておけば、どんなデータ、機能、施策があればマッチングを最大化できるのか、ビジネスの成功が掛かっているのがが一目でわかるので、組織のコンセンサスも取りやすくなるかと思います。
- 求職者をどうやってたくさん集めるのか。どんな観点で企業を探しているのか。
- 企業をどうやってたくさん集めるのか。どんな観点で求職者を探しているのか。
- 求職者をどんな施策で喚起するのか。マッチングするのか。
- 企業をどんな施策で喚起するのか。マッチングするのか。
ブラッシュアップが重要な部分はこのシンプルな図で説明出来ています。 優先順位付けを失敗しないためにも、組織全体での理解が重要かと思います。
最後に
筆者は今までにたくさんのWebサービスの開発に携わってきましたが、今でも現役バリバリで利益を出しているサービスは半分もありません。
新規事業は失敗する確率が高いのはわかっていますが、開発者側からすると、「そんなにおれらの開発を簡単に無駄にするなよ!」っていう想いもあります。
だからこそ、Webエンジニアはビジネスを理解しようよっていうお話でした。
あと、筆者は元リクルート社員ではないので、ネットで見た情報を参考にこのリボンモデルを理解していますが、間違いなどあれば指摘頂けるとありがたいです。 私のリボンモデルの説明が拙くて、凄さが伝わっていなかったら凄く残念なので、おすすめの書籍も貼っておきます。
リクルートの すごい構“創"力 アイデアを事業に仕上げる9メソッド
- 作者: 杉田浩章
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2017/05/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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UI/UXよりもまず、ビジネスで重要なデータの価値を理解しよう
UI(ユーザーインターフェース)、UX(ユーザーエクスペリエンス)って言葉、格好良いですよね。似たような言葉でIA(インフォメーションアーキテクチャ)も格好良いですね。Webサービスの仕事をしていると良く出てくる言葉です。 そしてWebサービスを作ってて筆者的に一番おもしろいのはUIを設計しているときです。
でもちょっと待ってください。
その前にやることがあります。そもそもどんなデータが必要か、重要かを考えなければいけません。
ユーザにどんなデータを見せるか、ユーザからどんなデータを入力してもらうか、運営側はどんなデータを入れるべきか、どんなデータがマッチング出来るか、紐づけられるか、自動化できるか、計測できるか、、、
大袈裟じゃなく、データ設計次第でビジネスのスケールの速度は段違いです。メモの固まりではスケールするサービスに昇華させることが出来ません。 なぜなら後からUIを変えることより、データベースの構造を変える方が圧倒的に大変だからです。
筆者はリニューアル案件で残念なデータベースにたくさん出会ってきましたが、これはエンジニアがビジネスの理解が足りないのが一番の原因だと思っています。
エンジニアは技術だけでもカバーするのは大変なのに、ビジネスの領域までカバーするのはさらに大変ですが、筆者はもうその時代になってしまったと思います。
IT技術の発展の早さは凄まじく、Webエンジニアは便利なフレームワークやツールで効率良く開発出来るようになりました。 その代わり現在は、ビジネスの理解が強く求められていると思います。
今回はその辺を深掘りしたいと思います。
データ設計に必要なスキル
データ設計に必要なスキルというのは、ひとことで言うとエンジニアリングのスキルとビジネス・マーケティングの理解です。
広すぎですね!
でもそうとしか言えません。
筆者は通販システムを数多く開発してきたので、通販を例にします。
例えば商品データを設計する際、こんなことを考えます。
- ユーザに購入したいと思わせるための情報(アパレルの場合なら「ささげ」(撮影、採寸、原稿))
- ユーザに探しやすくするためのカテゴリや商品のグルーピング
- 仕入れなどバックオフィス業務をまわすために必要な情報
- 会計で必要な情報
- 物流で必要な情報
- カスタマーサポートで必要な情報
- 法的に明記しないといけない情報
- 楽天やYahooショッピングなど、マーケットプレイスに出品するための情報
- SEOに必要な情報
- データフィード広告など広告に必要な情報
- あとで分析するために必要な情報、MD的な観点
もちろん一人で全部把握しているわけではないので、関係者からヒアリングして設計をしていきます。
さらに加えて、エンジニアリング的な知識、制約も把握しておかなくてはいけません。 データ量が大きければ、データベースを非正規化をしたり、検索エンジンを入れたりするなど考慮が必要になってきます。
また、通販システムは注文データ、顧客データ、在庫データなど他にもたくさんのテーブルがあります。 複数のテーブルのデータをうまくマッチングさせることが出来れば、ユーザにレコメンドする機能、通知する機能、ユーザを掘り起こす機能、運営者が楽になる自動化の仕組みなど、サービスをスケールさせるための機能を開発することができます。
データに価値が生まれるとき、大体の場合、複数のデータを組み合わせることで起こります。
例えば筆者が通販で効果を上げた事例だと、商品のブランドのデータ、広告のデータ、顧客のLTV(1顧客あたりの消費金額の合計)のデータを掛け合わせることにより、ブランドワードのCPA(1注文あたりにかかった広告費)で判断していたリスティング広告の評価方法を、LTVの高いブランドで評価することにより、広告のパフォーマンスを上げた経験があります。
データはクロスさせると価値が出る、これだけは覚えて帰ってください!
(このあたりはいずれ深堀したい)
ちょっと話がズレますが、エンジニアが一番、その会社のビジネスを理解しているケースって多々ありますよね。 ただそういう会社に限ってサービスがあまりスケールしていないと感じます。 まー統計的な根拠があるわけでなく、あくまでも筆者の経験論です。 ただサービスがスケールしない理由に、そのエンジニアに頼りきっている、そのエンジニアをボトルネックにしてしまった、というのは原因としてあると思っています。
ビジネスサイドもデータの価値というのを理解すれば、良い化学反応が起きるのになー、惜しいなー、惜しいなー
データ設計を邪魔するもの
筆者がデータ設計をするときに一番困るのは「私は関係ない」という考えです。
先ほどの商品の例でもいろんな情報を集約してデータを設計しているのがわかると思いますが、関係者の中には「私にその情報は関係無いからその入力は必要無い」、みたいな意見は良く耳にします。
もちろん運用が楽になるように設計をすべきですが、必要か、必要でないかを判断するのは、全体を把握していなければ出来ないはずです。 しかし日本の組織の場合、役職やパワーバランスで決まってしまうケースも多くないですか?
ただ筆者もそこそこベテランです。
うまくデータ設計を進めるコツがあります。
要件定義の最初に伝える言葉があります。
情報が価値となり、サービスがスケールするためには下記が必要です。
- 検索できる、発見できる
- マッチングできる、紐づけられる
- 集計できる
単なるメモでこれは出来ません。あたなはそれで楽かもしれないが、タイトルに入れておけば大丈夫!じゃないんです。
メモじゃ人間が把握しておかなければいけないし、人間が把握できないものは動きません。
逆に様々なところでこれが出来れば、自動化出来る範囲が広がり、サービスもスケールすることが出来るでしょう。
例えば昨今流行りのMA(マーケティングオートメーション)もこれが出来ることが大前提です。
誰の視点でデータを設計すれば良いか?一番増やしたいのは顧客ですよね?
顧客を増やすためのデータ、顧客が増えても楽なデータベースを一緒に考えませんか?
なかなかこれを否定することは難しいですよね。
最初に宣言しておけば、協力してくれる人も増えるかと思います。
さらに具体的にメリットを提示できると、もっと良いですね。
- こんなデータを入れてくれれば、こんな軸で探しやすくなり、ユーザビリティだけじゃなく、SEO的にもいいよ!
- このデータを紐づけられれば、ユーザにアラートを出せてアクティブ率をあげられるよ!
最後に
実はこのテーマを書きたかったきっかけがありまして。
この記事はドワンゴの川上量生氏と、ただいま炎上中の伊藤直也氏の対談記事なんですけど、
この記事の中で川上氏は、
「僕が嫌いな言葉でさ、UIとかUXとかあるけど、どうでもいいのよ。UXとか言い出すもんだから、間違ってクリエイティブな方向に行くんであってさ。」
「WEBのエンジニアってクリエイターではなく、工業デザインに近い」
「デザイナーっていうのは、サーバとかのアーキテクチャをわかってない人間がやるべきじゃないと思う。まぁ、サーバと言わないまでも、クライアントのレベルっていうか」
この意見に筆者も同意です!
ちょっと簡単にUIとかUXって言葉を使いすぎじゃないですかね、昨今。 まー確かに誰でも参加できるテーマと言ってもいいかもしれません。
筆者は過去に「UXを強化する通販サイトのリニューアル」の請負の仕事を行ったことがあります。 結果その通販サイトはSEO的に多くのインデックスを失い、よってまたサイトのリニューアルを実施しました。 そのプロジェクトにやはりいたんですよ、UI/UXのことばかりで、システムやマーケティングの知識が皆無な担当者が。
システムの仕様というのは様々な要因のトレードオフで決まってきます。商材、業務、データベース、マーケティング、組織、コスト、、、UIもその例に漏れません。仕様を決める人間は全体を把握した上で決めなければいけません。全体を把握していない、設計出来ない人間がUIの仕様を決めてしまうのは危険しかありません。
UXが優れていると言えば、Apple製品が思い出されます。 例えばiPhoneは電話を再発明しました。単純に製品が使いやすいというだけでなく、アプリとそれを流通させるプラットフォームは大きな市場を作りました。 iPhoneを作ったジョブスはデザインに深い造詣がある前に、ソフトウェアとか工業製品とか通信とかプラットフォームとか、多くのことを把握しています。ジョブスはAppleに復帰する前も、OSを開発している会社をAppleに売却したぐらいです。何が言いたいかと言うと、優れたUXを作るためには様々な知識が必要なんです。
特にデザイナーとかWebディレクターと呼ばれる人たちが多いんですが、簡単にUI/UX言い過ぎちゃうところがあります。もっと裏側というか背景を汲んでから考えて欲しいなと。 エンジニアもビジネスに対する深い理解が必要だと先に述べましたが、デザイナーもそういう時代になったかもしれませんね。
ダイナミックサービングかレスポンシブウェブデザインか、どっちで作るか悩んだキミへ
前にデザイナーさん向けにこんな記事を書いたんですけど、
この記事のなかのダイナミックサービングで作るか、レスポンシブウェブデザインで作るか、この問題もWebデザイナーを始めたばかりの方は判断が難しいと思います。 今回はWebサイトを新たに作る時の筆者なりの判断基準について書いてみます。
あ、当然、今どきモバイル対応していないサイトはNGですよ。
MFI(Mobile First Index:スマホ優先インデックス)を知らない方はまずこちらをチェックです。
「スマホ対応をしない=SEO捨ててる」と言っても過言ではないですし、ユーザー体験としてもNGですし。
そもそもダイナミックサービングとレスポンシブウェブデザインとは?
ダイナミックサービングとは、URLはPCサイトとスマホサイトで一緒なんですが、アクセスしているデバイスによって見せるページやテンプレートを切り替える方式です。
テンプレートを切り替えるというのは例えばこんな例です。
ECサイトの商品詳細ページで、商品情報は同一だが、PCとスマホで見せ方を変えれるようなテンプレートを用意し、デバイスによって切り替える。
メディアサイトの記事ページで、記事の内容自体は同一だが、PCとスマホで見せ方を変えれるようなテンプレートを用意し、デバイスによって切り替える。
一方、レスポンシブウェブデザインはPCとスマホで同じページ・HTMLを見せて、CSSでデバイスごとの見せ方を切り替える方法です。
ダイナミックサービングの方が2種類のテンプレートを作るので多少面倒なんですけど、テンプレートが分かれてますのでデザインの自由度が高いかなと思います。
まーレスポンシブウェブデザインもPCの見た目を少し変えようと思ったらスマホが崩れたみたいな事象は多々あり、面倒臭さはありますけどね。
また、後述するセパレートURL方式と違ってレスポンシブウェブデザインもダイナミックサービングも、デバイスが変わってもURLが一緒というのが重要です。だってスマホでシェアしたURLをデスクトップで開くことは良くありますからね。
Webの世界でURLが一緒というのは本当に大事です。
大前提、セパレートURL方式は採用しない
レスポンシブウェブデザインでもない、ダイナミックサービングでもない場合はセパレートURLと呼ぶようです。
こんな作りです。
- PCのページは/a.html、SPのページは/sp/a.htmlを表示する。
- ページはそれぞれで作成する。
- PCのページに対してSPでアクセスした場合はリダイレクトする。逆も同様。(クライアントにとっては通信が増えるのでストレスです。)
- SEOのためにはPCページにはSPのURLのアノテーション、SPページにはPCのURLのアノテーションが必要です。Googleのサイトで書き方をチェックです。 https://developers.google.com/webmasters/mobile-sites/mobile-seo/separate-urls?hl=ja
はっきりいって、3.と4.が面倒です!
もともとPCページがあって、あとでSPのページを作るならセパレートURL方式の採用もアリですが、一から作るなら採用しない方が良いです。
レスポンシブウェブデザインの方が楽だけど、ダイナミックサービングにした方がいい時
筆者は実はレスポンシブウェブデザインがあまり好きじゃないです。
確かにレスポンシブウェブデザインの方が多少工数が浮くんですけど、ほとんど場合、ダイナミックサービングを選びます。
理由としては、こんなケースがあるからです。
例えば広告収益を柱とするメディアサイトでPCサイトとスマホサイトで広告メニューを分けたい場合がある。
SEOとかが重要じゃない会員登録ページなどで、入力のしやすさを重視し、画面遷移をPCとスマホで分けたい場合がある。(登録フォームを検索エンジンがクロールするのは負荷が大きいと言われており、フォーム系のページはnoindexにするSEOの手法があります。SEO効果の真偽について責任はとれませんが、検索エンジンにクロールさせる必要がないのなら、URLの一意性にこだわる必要が無いので入力のしやすさにこだわった方が良いというのが筆者の見解です。)
PCの方がスマホより画面が大きいので、PCは多くの情報を表示したい場合がある。
スマホはすき間時間で見ることが多く、PCはじっくり見るのに向いているので情報を表示する順番を変えたい時がある。
CVRを上げるために調整をしようとした時に、PCとスマホで同じページだと調整が難しい。
サービスを伸ばそうとしたとき、少しの工数の差はあんまり重要じゃなくて、やっぱりチューニングしやすいダイナミックサービングを選ぶべきなのは、こういった理由があると思います。
ただ、コーポレートサイトなどはレスポンシブウェブデザインは全然アリです。
サービスサイトと比べると、そんなにチューニングの必要はないですからね。
やたらめったらレスポンシブウェブデザインを薦める人が多いのは?
どこかで見聞きしたんでしょうけど、良く理解していない情報を鵜呑みにし、レスポンシブウェブデザインじゃなきゃダメだ!みたいなことを言う人、結構いますよね。
主にお客さんだと思いますが(汗
恐らくその原因のひとつにGoogleの検索エンジンがあると思います。
https://developers.google.com/webmasters/mobile-sites/mobile-seo/
このページにはっきりと「Googleでは、デザインパターンとしてレスポンシブデザインをおすすめします。」と書いています。
筆者は基本的に疑ってかかる方なので、この場合はGoogleの気持ちになり、なぜレスポンシブウェブデザインを薦めたのか推測してみます。
レスポンシブウェブデザインにしてくれると、クローラのユーザーエージェントをPCとスマホで切り替えて、同じページを複数回クロールする手間が省けるんだよなー
レスポンシブウェブデザインにしてくれると、PCとスマホでHTMLが一緒なのでインデックスのデータ量が節約できるんだよなー
Googleは世界中の大量のWebサイトをクロールしているので、この2点が節約出来るだけで、大きなコストメリットがあるのは明白かと思います。
また、Amazonも楽天もNaverまとめもレスポンシブウェブデザインじゃありません。 レスポンシブウェブデザインじゃないとSEOが不利!ってわけじゃないのを付け加えておきます。
最後に
ここまでダイナミックサービングかレスポンシブかの判断基準を説明しましたが、筆者の主観が多分に入っており、皆様が判断するときはサイトごとにしっかり判断してください。
筆者はダイナミックサービングをかなり推しましたが、実際にレスポンシブで出来ているメディアでも、良いメディアはたくさんあります。
サイトの特徴に応じて選択していただれば!
アフィリエイトが検索面を汚す問題の根本的な解決法は、ASPの審査にあると思う
デジタルマーケティングにおいてアフィリエイトを利用しているマーケッターは多いと思いますが、アフィリエイトの問題として、
- 成功報酬のためなら嘘表現や根拠が乏しい表現でも構わない
- ブラックハットSEOが蔓延
この辺は本当に問題かと思います。
前に友人に頼まれて、とあるジャンルの数サイトをチェックしたのですが、ブラックハットSEOだらけでした。比較サイトのアフィリエイトが多かったのですが、その内容も根拠が乏しいものばかりです。
一昔前にアメブロのステマで叩かれている芸能人がいましたが、影響力が強いから叩かれるのであって、影響力が弱いアフィリエイトサイトはまだまだ野放し状態かと思います。
そして情報の根拠が乏しい、ブラックハットSEOを駆使したアフィリエイトサイトで検索面が汚れている状況は非常に良くないと感じています。
私自身はアフィリエイターではないですが、アフィリエイトをマーケティングで利用する広告主の側として、今回はこのアフィリエイトについて軽く考察したいなと思います。
- アフィリエイト広告が出稿されるまで
- 情報商材によるグレー&ブラックなアフィリエイトサイトが大量に発生
- 問題はASPの広告の審査
- なぜASPの審査は甘いのか?
- というか、ASP自身がステマを推奨しているぞ!
- Googleを批判するのはちょっとズレていると思う
- アフィリエイトの未来
- 最後に
アフィリエイト広告が出稿されるまで
こちらにわかりやすくまとまっています。
簡単に言うと、「広告主の商材をアフィリエイト提供会社(ASP)を経由し、アフィリエイターが広告主のサイトに送客し、購入に至れば成功報酬が発生」となります。
ASPを経由する意味としては、
- ASPの方で広告主の商材を多数取り揃えている。
- アフィリエイターのサイトを経由して購入にいたっかをトラッキングする仕組を持っている。
力のあるアフィリエイターの場合だと、自分でトラッキングするサーバを持っている、レンタルしているケースがあるので、アフィリエイターと広告主と直接契約しているケースもあります。
そしてアフィリエイトは広告なので審査があります。ASPによって異なる部分はあるのですが、ASPに登録する審査と商材を紹介するサイトの審査の2種類あります。
審査の話はこのBlogにまとまっているので参考に貼っておきます。
情報商材によるグレー&ブラックなアフィリエイトサイトが大量に発生
冒頭に「検索面が汚れる」と書きましたが、これを引き起こしている主な原因が情報商材かと思います。
私は情報商材を購入してSEOを学んだりアフィリエイトを行ったことはないですが、アフィリエイターのBlogを見ていると、だいたい察しが付きますよね。あー情報商材でブラックハットSEOを学んだのかと、、
ブラックハットSEOは解析ツールで簡単に見破れます。
SEO解析ツールについても当Blogで書いていますので、良かったら見てください。
情報商材とは何ぞや?
わからない方は情報商材がたくさん並んでいるinfotopのサイトを見ると良いでしょう。
独特の雰囲気ですよねー。「稼ぎたい!」という人が購入する情報商材が多数並んでいます。
これも「やせたい」、「健康になりたい」、「綺麗になりたい」といったコンプレックス商材のひとつに並ぶのかな。
この情報商材の中には投資の商品や教育の商品もありますが、アフィリエイトやSEOといった商品も多数並んでいます。
ちなみにこのinfotopの売上は2015年時点で19億あり、買収されたようです。
この情報商材、誰が買うんだ!って思う人の方が多いと思うんですけど、これで19億売って、営業利益5億ですか、、、
情弱商売はまだまだ現役です!
問題はASPの広告の審査
私は過去にコスメ通販の仕事をしていたのですが、コスメは薬事法の対象となり、商品の表現には厳しいルールがあります。 例を挙げると、スキンケアの商品で使用前、使用後の写真を並べることも難しいです。
健康食品やサプリも同じ薬事法のルールが適用されるので、コンプレックス商材を扱っている人は薬事法に詳しいと思います。
これは広告の表現にも当てはまり、媒体に広告を出稿する際も媒体側の審査を受けます。
アフィリエイトの場合はASPが審査をするのですが、この審査が緩いです!
なぜASPの審査は甘いのか?
ASPの広告の審査が甘いのはASP自身が媒体を持っていないことが、大きな要因だと思っています。
完全に私の主観ですけど、説明しますね。
媒体があるケース、例えば、広告の審査が厳しいと言われているSmartNewsで考えてみます。
もしSmartNewsが根拠の薄い広告の出稿を大量に許してしまうと、ユーザにとって安全なサイトではなくなってしまいますから、SmartNewsという媒体自体の価値が下がってしまいます。 一時は広告収入が増えて潤ったとしてもユーザが離れていき、最終的にはSmartNewsの不利益となってしまうと思います。
一方でASPは広告主の商材を紹介するサイトはありますが、それ自体はユーザが見るサイトではなく、アフィリエイターが見るサイトです。
アフィリエイターにとっては広告の審査が緩い方が利便性が高いわけで、審査をしっかりする!、というモチベーションが働きにくいです。
しかもASP間でも競争はありますから、しっかり審査をする真面目なASPの方が損をします。
あと個人的にはブラックハットSEOの審査も行って欲しいです。あいつもやってるから、おれもやる、という形で蔓延していると感じています。
というか、ASP自身がステマを推奨しているぞ!
この記事を読めばASPの広告の審査のモチベーションの低さはわかるかと。
ジャーナリズム精神溢れる良記事です。
この記事を簡単に要約すると、
- 複数のASPがインセンティブを付けて、アフィリエイターのステマを煽るキャンペーンを打ち出した。
- 一般消費者だけでなく、広告主も被害者。
- BuzzFeedの記者がASP業者の改善&お詫びを引きだした。
質の悪い比較サイトのアフィリエイトが増えた理由の一端は、ASPにもあったんですね。
Googleを批判するのはちょっとズレていると思う
この問題の批判の矛先がGoogleに向くときがあります。
ステマ問題と言えば、DeNAのWELQ問題を思い出しますが、その時もWELQを作ったDeNAの批判とともに、Googleが嘘記事を上位表示してしまうことについて、問題定義をする意見が見られました。
それに対してGoogleはまだ日本にはまだ普及していませんが「ファクトチェック」というソリューションを導入しました。
ただこれは、基本的には第三者の人力のチェックなので、まだまだ機械による情報の信頼性のチェックは難しいようです。
アフィリエイトの場合も信頼性の無いサイトがGoogleで上位表示される例が散見されますが、アフィリエイトの場合はASPの審査がその前にあるはずです。
アフィリエイトも立派な広告ですので、信頼性の無いサイトが上位表示される問題全てで、Googleを批判するのはちょっとズレているなと思うわけです。もちろんGoogle先生には頑張ってほしいですけど。
アフィリエイトの未来
筆者は別にアフィリエイトサイトが嫌いなわけではありません。
むしろ一般消費者としてAmazonアソシエイトで何度も買い物をしている方ですし、本業の方でもアフィリエイトを利用して、集客に利用したこともあります。
そしてアフィリエイトの市場は今後も伸びていくようです。
今後も増えていくからこそ、ASPにはアフィリエイトが一般消費者にそっぽを向かれないようにしっかり審査をして頂きたいし、広告主側としても根拠のない情報で不利益を被らないようにしっかり審査をして欲しいとも思います。
最後に
なんか当記事もBuzzFeedに触発されてジャーナリズムを発揮してしまいましたが、少し保険をかけます。
※この考察は私個人の考察であり、私が所属する企業の見解ではありません。
オウンドメディアを作るときの準備の話
筆者はいくつか企業のオウンドメディアを作ってきたんですが、始めるときの準備が一番重要かなと感じています。
私の仕事はWebプロデューサーなのでコンテンツ自体を作ることはないのですが、この準備のところが腕の見せ所ですね。
今回はオウンドメディアを作るときの準備について、筆者なりにまとめてみました。
- ターゲットを明確に
- 目標を明確に
- 競合、もしくはターゲットが似ているメディアを参考にする
- KGI、KPI、予算をたてる
- 体制を構築する
- コンテンツ設計=集客の設計
- オウンドメディアは本体サイトのSEOにも寄与出来る!
- オウンドメディアでも大手メディアに転載できる!
- なぜオウンドメディアは失敗するのか?
- 最後に
ターゲットを明確に
当たり前ですが、まずはターゲットを設定しなければいけません。
玉虫色のターゲット設定だと、コンテンツも刺さらないし読者もつきませんから、絞る方がやりやすいと思います。
例を挙げてみますと、
- 自社の商品・サービスを利用してくれるエンドユーザ
- 取引先企業
- 自社への転職希望者向け(IT企業だと技術者の確保が大変なので良く見ますよね!)
事業の課題から考えてみると良いと思います。
また、エンドユーザの場合でもその中でも女性に絞るとか、シニア層に絞るとか、いろんなケースがあると思います。
ターゲットの属性によってコンテンツの内容、集客の方法、サイトのデザインなどが変わってくるので、ここがブレたメディアはもう最初から厳しいです。
目標を明確に
やっぱりWebメディアなので、KGI、KPIに落としたいのですが、その前に大まかな目標を設定しましょう。
例を挙げると、
- 広告費を削減する
- 今までリーチ出来なかった層を獲得する
- 獲得、問い合わせを増やす
- エンゲージを高め、リピートを促す
- ブランディング。例えば専門性の高い情報を発信するとか、安全性をアピールするとか。
ターゲット設定と同様、事業の課題から考えると良いと思います。
競合、もしくはターゲットが似ているメディアを参考にする
ぜひAhrefsやSimilar Webを使って競合サイトを見まくってください。
Ahrefs(読みはエイチレフス)はSEOの分析をするためのツールです。 Ahrefsで分析できることはたくさんありますが、競合サイトがどれだけオーガニックの流入を稼いでいるか、どんなキーワードで集客しているか、バックリンクの質と量、リンクビルディング方法などを調べれば目標も立てやすいかと思います。 あとAhrefsは競合のソーシャルで跳ねている記事も探せます。
Ahrefsで何が出来るかは当Blogでも書いていますので、ぜひ参照ください。 kinjo.hiroshi.world
Similar Webで出来ることは、この記事がわかりやすいかと。さくっと競合サイトの実力を調べられます。
具体的にどんなところを見るかと言うと、
- 月間PV、UU、滞在時間など
- 集客方法の割合。SEO、ソーシャル、参照サイト、、、
- SEOで集客出来ているキーワード、SEOで集客出来ているページ
- ソーシャルで跳ねているページ
当然コンテンツも重要なのですが、見るべき観点として。
- 月間でどれくらいの数の記事をあげているのか
- 1記事のコストを大まかに予想する
- どんなカテゴリがあるか
- SNSのフォロワー数は?
こんなところでしょうか。
1記事のコストについてですが、本当に千差万別です。
取材記事なら1記事あたりライター1日の人件費が掛かりますし、写真の質に拘りたい場合、カメラマンが入っていますからカメラマンの人件費もかかります。 弁護士や医者など専門的な知識が無いと書けないような記事の単価は高いですし、「ダイエット」や「芸能ネタ」などは単価が安いと思います。
また、調べるサイトとしては、必ずしも競合やジャンルが近いサイトである必要はありません。 ターゲットが近ければ参考にして良いと思います。 例えば美容の話も恋愛の話も、若い女性というターゲットが似ているのであれば参考になります。
KGI、KPI、予算をたてる
ここまでの「ターゲット設定」「目標設定」「競合の調査」が出来れば、KGI、KPI、予算をたてることが出来ると思います。
大まかな目標によってKGI、KPIは変わってきますが、
- 目標とする月間PV、UU
- 1カ月の記事本数
- 事業本体の問い合わせ数の目標
- ブランド認知度のアップ(指名系ワードの検索数の増加目標)
- SNSのフォロワー数
このあたりが決まってくれば予算も作れますね。
筆者の場合は「広告費を削減する」という目標を設定するケースが多いのですが、その場合はリスティング広告やディスプレイ広告や記事広告のコスト、CTR、CVR、CPAなどを鑑み、あとは自分の勘と経験を頼りにKPI(PV、UUなど)を設定したりします。
※.2017/7/29追記
「勘と経験」という形でざっくり片付けてしまったので「広告費を削減する」という目標を立てた場合の、筆者なりのKPIの作り方を書いてみます。
あくまで自己流なのでツッコミは大歓迎です!
例えば健康食品系通販サイトの会員獲得のためのオウンドメディアで「広告費を削減する」という目標を立てたとします。 健食系はやったことないので、そんなに勘は働かないですが、、、
リスティング広告が例えば下記の成績だと仮定します。
- CPA = \10,000
- CTR = 2%
- CVR = 1%
- 広告のコストは500万/月
そしてオウンドメディア側の数字を勘で仮定します。
- オウンドメディアからLPや本体サイトへ送客する率は1%
- オウンドメディアからのCVRは1%
送客率が広告のCTRより低いと仮定したのは、そもそもコンテンツを見たユーザは購入を検討しているユーザではなく、コンテンツを見に来たユーザですからね。 CVRを広告と変わらず1%としたのは、記事広や商品の設計次第(健食の場合はお試しキャンペーンとか多いですよね)では十分広告と同じパフォーマンスは出せると仮定しました。
ホント、これは勘です!
そして目標を広告費換算で100万/月だと仮定します。100万/月あればメディアを維持しつつ、初期投資も改修出来るというこれも仮定です。 そうすると目標とするUU/月は、
1,000,000 ÷ 10,000 ÷ 0.01 ÷ 0.01 = 100万UU/月!
100万UUはメディアをやったことがある人はわかると思いますが、かなり難易度の高い数字です。 でもここで着目して欲しいのは送客率を2倍にすれば50万UUでいいし、さらにサイト全体のCVRを2倍にすれば25万UUでクリアできます。まーそれも難易度が高いですが、、、
まずはユーザをある程度集めることが重要ですが、集まったあとはCVR、送客率を上げる調整をしていけば良いと思います。
また、後述しますがオウンドメディアは本体サイトのSEO対策としても使えますし、健食の場合はLTVを上げるためのコンテンツとしても使えると思います。 それらも鑑みて費用対効果を考え、目標は定期的に見直せば良いと思います。
体制を構築する
メディアを作るときにはWebデザイナー、エンジニアが必要ですし、運用するときには編集者、ライターが必要ですね。 オウンドメディア自体の集客をする際にはマーケッターも必要かもしれません。最近はSNSを運用する人も重要ですね。
あと編集長というのは決めておいた方が良いと思います。メディアの顔でもありますし、編集の方針について最終的に判断する人間は必要ですよね。
私の場合は、Webメディアシステムの開発のライフサイクルまで決めてしまいます。チケット管理はどうするとか、リリースが簡単なようにGithubを設定しておくとか。
Webメディアも作ったら終わりでなく、始まりですからね。
座組こそ、Webプロデューサーの腕の見せ所だと思います。
もちろんシステム開発はベンダーさんに任せちゃうのもひとつの方法ですが、私はあんまり好きじゃないです。 だってサービスを伸ばすっていうのは一番おもしろいとこですしね!
コンテンツ設計=集客の設計
オウンドメディアの場合、コンテンツ設計=集客の設計です。
ノウハウ系はSEOに強いですし、ペルソナぴったりのコンテンツはSNSで跳ねるかもしれません。 どちらを取るか?という話ではなく、両方あった方がよいですし、それに合わせたカテゴリやコンテンツを考えたら良いと思います。
SEOに関してはキーワード設計、カテゴリ設計、それに必要な記事の洗い出しという順番になると思います。 競合サイトのチェックがここで生きてくると思います。
SlideShareで良記事があったので貼っておきます。
あと、そのオウンドメディアを表現するメディアのタイトルやコピーも一緒に考えたら良いと思います。
読者にひとめで理解させることが出来れば、そのタイトルやコピーは成功ですね。
オウンドメディアは本体サイトのSEOにも寄与出来る!
まず考えたいのはオウンドメディアのドメインですが、本体サイトと同じドメインなのが一番です。
理由としては、
- 例えば本体サイトの商品ページみたいなものよりコンテンツはバックリンクを獲得しやすい。
- オウンドメディアのドメインが本体サイトと同じドメインならば、オウンドメディアのバックリンクは本体サイトのバックリンクともいえる。
- オウンドメディアで記事をアップすれば、本体サイトの鮮度にも寄与出来る。
- オウンドメディアのSEO実績自体がそのまんま本体サイトのSEO実績となる。よく混同されるが、ドメインエイジが長いからSEO効果があるわけでなく、過去どれくらいSEOで集客できたかが重要である。
コンテンツの方がバックリンクを獲得しやすい理由としては、
- 当Blogもいろいろ外部リンクを貼ってますが、ノウハウ系コンテンツはBlogなどからバックリンクを得られやすい。
- SNSで跳ねたコンテンツで「はてぶ」が付いていれば、バックリンク効果がある。Twitter、Facebookのシェアにバックリンク効果はないが、Twitterのまとめサイトなどは効果がある。
- 取材記事の場合は関係者からリンクを得られることがある。
本体サイトとオウンドメディアでドメインが別の場合でもSEO効果は無くはないですが、その対策については息切れしてきたので割愛します、、、
オウンドメディアでも大手メディアに転載できる!
過去にWebの編集さん向けの記事でも書いたのですが、
WebメディアはGunosy、SmartNews、LINEニュース、Yahooニュースなどのプラットフォームに転載が可能です。(どのサイトでも出来るわけではありません。プラットフォーム側の審査があります。)
そしてオウンドメディアもWebメディアですからプラットフォームへの転載が可能です。
これは私自身も複数サイトで転載を経験しているので間違いないです。
またジャンル次第ですが、大手メディアだけでなく業界メディアへの寄稿なども可能です。 その場合はドシドシ売り込みましょう!
なぜオウンドメディアは失敗するのか?
まーひとことで言うと「準備をしていないから」になっちゃうのですが、失敗例を挙げてみます。
企業のPR・広報のつもりでやっていると失敗する
PR・広報の重要なミッションとしてプレスリリースを打ち、メディアに取り上げてもらう、というのがあります。
これは向いてる先があくまでメディアであってエンドユーザではありません。
なのでPR・広報のつもりでやっていると間違いなく失敗します。
例えば美人広報が有利なのは、メディア関係者が取材に行きたいからであって、エンドユーザには関係ありません。
また、大企業の場合は広報とマーケティングで部署が分かれているケースが多いと思いますが、採用メディアでない限り、オウンドメディアを担当すべき部署は絶対マーケディング部です!
編プロに丸投げは危ない!
自社にリソースが無い場合、編集プロダクションにオウンドメディアの運営を委託するケースがあると思いますが、編プロに丸投げは危険です!
例え編プロがそのオウンドメディアのテーマの経験者としても、彼らが得意なのは基本的に取材、撮影、ライティング、校正などです。
つまりマーケティングが得意ではないケースが多いんです。
マーケティングのためにオウンドメディアを運営しているのに、オウンドメディア自体がマーケティング出来ていないという、本末転倒にならないように気を付けたいですね。
座組に無理がある
オウンドメディアを始めるときに、今いるメンバーの業務に追加する形でやると、本業が忙しい時もありますので無理が来てうまくいきません。 月に3記事程度の量のオウンドメディアはやる意味がないと思いますし、少なくとも編集一人は確保しないとうまくいかないと思います。
オウンドメディアは誰でも始められるものですが、メディアとしてプレゼンスを出すことは誰でも出来る、わけではありません。
最後に
あくまで、ここまでの話はオウンドメディアを作るときの、PDCAのP(PLAN)の部分です。
私自身がこの計画をここまで詳しくやってるか?というと、やってるときもありますし、「このジャンルのメディアはないからやってみよう!」という感じで勢いでやってるときもあります。 計画のどこかで、勘と経験が必要な部分もあるんですけど、この勘と経験の蓄積も、計画してるか否かで違ってくると思います。
そしてPLANが無いと、成功か失敗かはわかりませんし、失敗して撤退する基準もわからないですよね。
あと注意したいのは、オウンドメディアは即効性がある施策ではありません。SEOに覚えがある人はわかると思いますが、何か施策を打っても効果がでるのは3カ月後とかはよくある話です。個人的には3カ月周期で施策の評価、見直しを行っていけば良いと思っています。
オウンドメディアも経営にとっては投資なので、経営者にわかりやすいPLANを見せることは大事かなと思っています。
紙からWebメディアの編集を始める編集さんに知っておいて欲しいこと
前にこんな記事を書きました。
この問題ってデザイナーだけでなく紙媒体からWebメディアの編集を始めた方にもあるかと思います。
つまづく部分って似ているのですが、今回は編集にフォーカスして、留意しておいて欲しいことを書いてみます。
「おれは編集だからWebデザインは知らね(*´Д`)」っていう編集はいないと思いますし、編集はデザイナーに指示を出すことも多いので、先の記事の内容は読んでる体で書きます。
- Webメディアはタイトル命
- サムネイル画像も重要
- SEOを踏まえた文章を書く
- コンテンツは流通する、プラットフォームの存在
- 記事の単価について
- SNSの存在
- フロー型のコンテンツ、ストック型のコンテンツ
- 広告について
- 校正が雑なわけじゃない、文化が違う
- 今後さらに、紙からWebに移る編集は増えていく
- 編集長はひっぱりだこ
- 誰とWebメディアを作るのか
Webメディアはタイトル命
- Webはクリックされて始めて見られる
先の記事でも書きましたが、この点を補足しますとWebメディアはタイトルが紙より10倍重要です!
タイトルはいろんな期待を背負っています。
- クリックされなければ見られない
- SEOも考えなければいけない
- ソーシャルでシェアされたい
タイトルの重要さはこちらの記事からもわかると思います。
あと、Webメディアは紙と違ってテンプレートにはめるので、タイトルに文字数の制限を設けているケースが多いです。
Yahooトピックスの13.5文字という制限は業界でも有名な話ですよね。
ただタイトルが短いと良くわからない場合があるので、記事ページ用、サムネイル用の2種類のタイトルを設けたりします。
サムネイル画像も重要
クリックされるサムネイル画像については、こちらの記事も参考になります。
彼らは主観に固執せずデータに基づいてノウハウを貯めていますよね。
これはWebっぽい考え方なんだと思います。
また、出版出身の方ってピンボケした写真は許せないと思いますが、Webメディアだと全然ありです。 むしろ写真が綺麗すぎると広告臭がしてクリック率が下がるというケースは多いと思います。
当ブログはサムネイル画像を設定していないくせに偉そうですが(;^_^A
SEOを踏まえた文章を書く
見る・読むのは人間だけではない
先の記事でも書きましたが、文章はSEOという集客方法のキモです。
おすすめの本を挙げておきます。
- 作者: 瀧内賢
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2012/10/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 3人 クリック: 21回
- この商品を含むブログ (20件) を見る
この「SEO内部対策の教科書」は私がメディアを立ち上げるたびに、編集さんに薦めている教科書的な存在です。
SEOは大きく分けて内部対策と外部対策があり、内部対策というのはコンテンツそのものの対策を指します。
編集はコンテンツを作るのが仕事です。
ですからSEOがわからないWebメディアの編集はもう通用しません。
SEO内部対策をざっくり説明すると、ユーザのニーズが高いキーワードをtitle,description,h1,h2,strongのような重要なタグにバランスよく設定することです。
あと共起語の考え方も抑えおきましょう。
また、外部対策についてもコンテンツは有用です。
外部対策とは外部のサイトからリンクをもらうこと(バックリンク)で、SEOの効果を上げることを指します。
良いコンテンツというのは、
- 当ブログも有用な外部のコンテンツのリンクをたくさん貼っています。こんな形でバックリンクを得られます。
- SNS自体はSEO効果はあまりないですが(はてなブックマークは効果あります!ぜひ当記事もブクマしてくださいw)SNSにシェアされることにより、やっぱりバックリンクを得られやすくなります。
- 良いコンテンツというのは、後述する記事の流通により、バックリンクがもらえる可能性があります。ただし、媒体から得られるリンクはnofollow*1のケースが多いですが、たまにdofollowのリンクが得られます。
また、外部対策は競合サイトを良く調べるということが有用です。
それについては当ブログでも書いていますので、SEOの知識を深めたい方は、ぜひ読んでみてください。
コンテンツは流通する、プラットフォームの存在
プラットフォーマーとして、一番有名なのはYahooニュースかと思います。
今ではYahooニュース自体もコンテンツを制作しておりますが、基本的にYahooニュースは他媒体が制作した記事をYahooニュース編集部がピックアップして掲載するプラットフォームです。
プラットフォームとメディアの関係が垣間見える、興味深い記事です。
Yahooニュースは20年を超える歴史があるんですね~
プラットフォームはしばらくYahooニュース1強時代だったようですが、今では、
Gunosy、SmartNews、LINEニュース、Antenna、、、などなど増えて来ています。
プラットフォームに記事を転載するメリットとして
トラフィックが稼げる。Yahoo砲とかGunosy砲という言葉を聞いたことがあると思います。
プラットフォームやメディアの力によっては、広告収入をプラットフォームと分け合うケースもあるようです。私は経験無いですが。
また、プラットフォームだけでなく、メディア同士でも記事を転載する場合もあります。
プラットフォームに転載する方法
プラットフォームには「問い合わせページ」が設けられている場合が多いので、そこから申請する形となります。
例えばLINEニュースの場合はこちらのページです。
もちろん、申請して必ず転載が許可されるわけではありません。
それなりに自メディアが育ってなければいけませんが、規模が小さいから無理、というわけでもありません。
オリジナルの有用な記事を書いていて、ユーザからの反応が良いことの方が重要かと感じています。
逆に規模が大きくても、プレスリリースのリライトばかりの内容の薄いメディアだと転載は難しいかなと感じています。
プラットフォームに記事を転載する際の技術的な話
方法は大きく2種類あります。
- LINEニュースなど人による編集がメインの媒体に転載する場合は、特別な仕組みは不要なことが多い。
- SmartNewsやAntennaなどマシンによるレコメンドを行うような媒体に転載する場合は、転載用のRSSの開発が必要なことが多い。
例えば、SmartNewsのRSSの仕様はこちらに公開されています。
SmartFormat 仕様書 - SmartNews媒体運営者向けサポート
プラットフォームに転載する際の注意点
- 当たり前ですが、自メディアの記事広告、ネイティブアドは転載できない。
- 複雑なレイアウトの記事は転載するときに崩れやすいので、記事のフォーマットはシンプルに。最近はAMPもありますしね。
- 権利関係はクリアにしておく。転載のたびにライターに許可を取るのは面倒なので、著作権は買っておいた方が楽。
ちなみに、こんな偉そうに語っておきながら、私自身はまだYahoo砲、Gunosy砲を受けたことはありません。。。
記事の単価について
記事に掛けられるコストが紙に比べてWebが低いというのは紛れもない事実だと思います。
極端な例ですが、CrowdWorksやLancersといった、クラウドソーシングに上がっているライティングの仕事を見ると1記事の単価が200円!という価格帯の案件が乱立しています。
ただ、この話がちょっと先走ってると感じることがあります。
確かにSEOを考えると記事の本数というのは重要で、安い単価のコンテンツを使ってSEOを高めることも可能です。
しかし質の悪いコンテンツが多いサイトは、プラットフォームや別媒体の転載は困難になり、媒体のプレゼンスを上げることが出来なくなります。
反面教師としてDeNAのキュレーションメディアの問題を考えると理解しやすいかと思います。
安かろうはスケールしませし、良いものを作っていればスケールする、というわけでもありません。
まーこの辺のバランスを取るのが編集の腕の見せ所だと思うので、私が語るのはこの辺にしておきますが、プラットフォームの話は経営にコストを説明するときに使えますよ!
SNSの存在
FacebookやTwitterといったSNSは、集客の方法としてメディアとは切り離せないのは自明かと思います。
他にもInstagram、はてぶ、LINEなどありますので、それは自メディアのターゲットに合わせて運用したら良いと思います。SNSもたくさんあるので全部しっかり運用するのは大変です。
「若者向けなので、Instagram、Twitterの運用を厚めにしよう」とか「写真は重用ではなく、テキストが重要なメディアなのでInstagramは捨てよう」みたいな感じで絞るのはアリかと思います。
また、メディア自体の広告として、Facebook広告、Twitterの広告は役に立ちます。
メディアはターゲット(ペルソナ)を想定し、コンテンツを制作するものだと思います。そしてSNSの仕組みは、ユーザがどんなサイトをフォローしているか、誰と誰が繋がっているのか(興味関心が近い人同志が繋がっている)を把握しています。
ユーザの興味、関心に対して広告を出稿できるわけなのでメディアの広告としてSNSは相性がいいわけですね。
ソーシャルについてはFacebookだけでたくさん記事を書けそうなので、このぐらいの言及に留めておきますが、役に立つ記事をピックアップしておきます。
個人的にはFacebookページのいいね!(記事のいいね!ではない)とTwitterのフォロワーを増やすのが、SNSの最重要KPIだと思っていますが、それについては今度記事を書いてみたいと思います。
フロー型のコンテンツ、ストック型のコンテンツ
この記事を読めばフロー型のコンテンツ、ストック型のコンテンツを理解できると思います。
ちなみにこの記事の著者の田端新太郎さんの本はメディアビジネスに関わる人の教科書的な存在なので、読んでみることをお勧めします。
MEDIA MAKERS―社会が動く「影響力」の正体 宣伝会議
- 作者: 田端信太郎
- 出版社/メーカー: 宣伝会議
- 発売日: 2012/12/19
- メディア: Kindle版
- 購入: 1人 クリック: 7回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
出版におけるフローとストック
出版に置き換えると、新聞は日付が変わると新しい新聞が発行されますし、雑誌の場合は週や月が変わると新しい雑誌が出るので、新聞や雑誌はフロー型のコンテンツです。
一方で本屋に行けば「村上春樹」の小説はだいたい置いてますから、名著と呼ばれる書物はストック型です。
Webメディアにおけるフローとストック
Webの場合、Yahooニュースみたいなニュース系・時事ネタなどはフロー型、Wikipediaのような辞典やTipsなどのネタはストック型に分類できます。
Webの場合は出版と違って本屋の場所を押さえる必要がないので、出版よりはストック型と相性が良いと思いますが、ここで抑えておきたいのはコンテンツの種類による流入経路とアクセスの伸び方の違いです。
フロー型、ストック型の流入経路とアクセスの伸びの違い
ストック型のコンテンツの集客方法としてはSEOが重要です。 何かを知りたい、調べたいという場合は検索することが多いからです。 ただし、SEOというのは良いコンテンツを書いていても緩やかに伸びていきますし、みんなが一斉に同じトピックを調べるわけではないので爆発力はありません。 その代わり、長い間役に立つコンテンツであれば、長い間アクセスを稼げます。まさにストックです。
一方でフロー型のコンテンツの場合は、既に読者がついている即時性や更新性の高いメディアが有利でストック型よりはSNSでシェアされやすく、爆発力があります。 時事ネタについて、深い考察のある記事なんかは私もTwitterで良く目にします。Twitter自体がフロー型のメディアというのもありますね。
ただし、フロー型のコンテンツは旬を過ぎるとアクセスはあまり稼げなくなります。
ちなみに当ブログはストック型のコンテンツを中心にしますが、この記事のタイトルはSEOに向いていません。。。
ぜひシェアをオナシャス!
広告について
Webメディアってページの制限が無いのですが、広告枠がある程度決まっている、純広告も当然あります。
すごい量のWebメディアの媒体資料を調べた記事です。骨の折れる作業だったろーなと想像できます。
ただ、純広告を出せるようになるにはある程度のPV・UUが必要になってきます。まーこれは出版も部数が必要ですから一緒ですよね。
出版とWebメディアの広告で大きく違うのは、
- 広告主が媒体を選ばなくても広告を出稿出来る→アドネットワーク
- 課金体系の種類がいろいろある。掲載課金、Imp課金、クリック課金、成果報酬。
このあたりかと思います。
アドネットワークの存在
アドネットワークの説明はこの記事がわかりやすいかと。
Google AdSenseとYahoo! ディスプレイアドネットワーク(YDN)がアドネットワークの2台巨頭かと思いますが、その他にも多数のアドネットワークがあります。
広告主にとっては、無数にある媒体をいちいち選んで出稿する手間がなく、媒体側にとっては広告営業を設ける必要が無いというメリットがありますが、媒体側にとってはやはり単価の低さが気になると思います。
さまざまな課金体系
純広告の場合は基本的には掲載課金型ですが、Imp保障をしているケースもあります。
その他にもクリック課金やImp課金、成功報酬という形があります。
成功報酬といえばアフィリエイトですね。
アフィリエイトの仕組み|アフィリエイト初めてのかたへ|アフィリエイトのアクセストレード
この記事はアフィリエイトの仕組みの説明です。 Webってユーザが最終的に商品を購入したのかトラッキング出来るので、こうして成功報酬という仕組みが成り立つんですね。
アフィリエイトって個人ブログやアフィリエイターが作ったアフィリエイトサイトのイメージが強いと思いますが、今後は大手Webメディアでもアフィリエイトの広告が増えていくんじゃないかと個人的には思っています。
ちょっと話はズレますが、ZOZOTOWNは基本的に在庫を持たない、消化仕入れが基本の通販サイトです。売れたときに仕入れと売上が同時に立ちますからある意味成功報酬で、CVポイントに近いアフィリエイトサイトだと言う人もいます。そしてZOZOTOWNをチェックするのも、ファッション雑誌をチェックするのも、ユーザ心理としてはそんなに変わらないケースがあると思います。ファッション括りだとIQONというコーディネートアプリもあります。
つまり競合はWebメディアだけじゃないということを頭に入れておくといいかもしれません。
広告制作部をもっているWebメディアの方がレア
特に雑誌の場合、広告営業と広告制作部、編集部と役割が分かれていることがあるかと思いますが、Webの場合は一緒のケースが多いです。
元々ITの我々からすると、
「仕事選んでんじゃねーよ」
となるので、理解を期待しない方が良いです。
これは文化だと思って割り切ってください。
校正が雑なわけじゃない、文化が違う
出版と違い、Webメディアは24h365、コンテンツを公開できます。即時性の強いメディアです。とことんフロー型に寄せられます。
なのでLINEニュースは3交代制の24時間体制を敷いていると聞きます。
新鮮な情報があるということは、それだけでメリットです。校正に時間を掛けられません。
今では新聞よりNewsPicksが制作した記事の方が新鮮だと感じることがありますし、新聞と違ってページの制約が無いので、インタビュー記事なんかは新聞より面白いと感じます。
一方で出版は日刊紙、週刊誌、月刊誌という形で区切りがあり、印刷すると後で修正が効きません。 なので校正はWebより厳しくやっていると思います。
これはもう文化の違いです。 出版出身の人がWebメディアの記事は校正が雑だ!みたいな話をすることがありますが、文化が違うんです。
また、先に述べた通りコンテンツは流通します。
自メディアのトンマナを一生懸命揃えたとしても、その記事を見ているプラットフォームが違う場合があります。
また、見ているコンテンツのカテゴリが読者によって偏っているという場合もあります。 雑誌だったらお金を出して読みますので、貧乏性の私なんかは購入した雑誌のほとんどのページをくまなく見ちゃいますが、Webの場合は自分の好きなカテゴリの記事だけ見る、というケースが多いわけです。
こういう特性を踏まえた上で、校正をどこまでコストを掛けて行うのか、考えるべきです。
あと、私の記事の校正が甘いのは多めに見てくださいね(´▽`)
今後さらに、紙からWebに移る編集は増えていく
この記事は約30年に渡る広告費の推移をグラフ化した、とてもわかりやすい記事です。
新聞・雑誌の広告費はこの30年で大きく下がっており、逆にインターネットの広告費は大きく伸びています。
テレビが今でも1位であることは変わりませんが、この先10年でインターネットがテレビに追いつきそうな勢いです。
これはもう、インターネットにシフトする編集さんが増えるのは火を見るよりも明らかです。
編集長はひっぱりだこ
これは出版の場合もそうだと思いますが、Webは媒体が多数あり、しかもどんどん増えていっています。
出版業界より編集長が足りまへん!
媒体の方向性、マネタイズを考え、編集やライター陣をまとめ、広告主と良い関係を築く編集長はそりゃーもうひっぱりだこです。
確かに出版よりWebメディアの収入は低いかもしれませんが、チャンスは多いかなと感じています。
誰とWebメディアを作るのか
編集長が新しい媒体を作る時、恐らく私のようなWebプロデューサーと組むことになるでしょう。
私は編集長がどちらかというと苦手な予算編成からシステム開発、マーケティングまわりを担当します。
その他にもエンジニアやマーケッターといった、出版ではあまり絡まない人と仕事をする機会が増えると思います。
Webプロデューサーはターゲット、マネタイズ、方向性は編集長と一緒に考えますが、私の場合は基本的にコンテンツの内容については、あまり口出ししないようにしています。
編集権の独立は尊重します!
ただし残念ながら、編集のWebの知識が不足していて意見が別れることが多数あります。
経営がWebメディアを理解していなくて意見が割れることもありますね。
もちろん歩み寄る努力をすべきですが、もう少しWebを理解して欲しいなー、と思うわけですね。
意見が割れたとき、この記事が役に立つといいんですけど。
*1:リンクを貼る時にnofollowを指定すると、検索エンジンに対して「リンク先を評価しない」という指示になり、SEO効果がありません。
SEO解析ツールの「Ahrefs」で何をするのか? をまとめてみた。
Ahrefs、使ってますか?
Ahrefsはエイチレフスと読みます。シンガポールとウクライナの企業が開発したツールのようです。
SEO解析ツールのひとつでここ最近日本でも使われ出したかなーというツールです。
他に有名なツールだとMOZ(旧 SEO MOZ)があると思いますが、MOZより後発なだけあって、Ahrefsの方が少し使いやすいかなーと思っています。
- そもそもなぜ、AhrefsやMOZなどのSEO解析ツールを使うのか?
- Contents is Kingなのは間違いない。でもバックリンクは無視できない。
- Ahrefsとは?
- 競合分析で何を見るか?
- 自サイトのチェック
- 参考にするのは競合だけではない!
- 競合分析は果てしない!
- 番外編、順位をチェックするのみのツールはどうなの?
- 最後に
今回はAhrefsで何をするか?を書いてみます。使い方ではないです。
使い方はこちらの記事が参考になるかと思います。
正直、人を選ぶツールです。
SEOの基本やアクセス解析などがわかる人にとっては非常に有益なツールなのですが、わからない人は使い方を説明してもイミフですし、わかっている人は何をするか?を説明すれば使いこなせると思います。
ツールは違えど、SEO解析ツールを使う目的は一緒なので、この記事の内容はそのまんまMOZにも当てはまるかと思います。
そもそもなぜ、AhrefsやMOZなどのSEO解析ツールを使うのか?
先にも書いた通り、この記事にたどり着いた人は恐らくSEOの基本的なことは理解されており、その知識をサイトの改善に適用していると思います。
そしてGoogle AnalyticsやSearch Consoleを使えばオーガニックの流入の増減や流入キーワードの増減は把握できますから、SEO分析ツールが無くとも施策の効果が「うっすらと」はわかると思います。
でも、なぜ自分のサイトが競合のサイトと違って順位が低いのか、どんなところが足りないのかツール無しで説明するのは、なかなか骨の折れる作業かと思います。
Contents is Kingなのは間違いない。でもバックリンクは無視できない。
「コンテンツを頑張っていれば、バックリンクは気にしなくて良い」と言っている人がいたとしたら、その人は難易度の高いキーワードで勝負したことが無いのかな?と思います。
被リンクが今でも非常に重要なのは、この記事を見れば良く分かると思います。
コンテンツSEOを行っていなくても、被リンクだけでYahooは「退出する」というキーワードで強いわけです。
ブラックハットSEO*1のおかげで、バックリンクと言うと脊髄反射で良いイメージが持てない方もいらっしゃるかもしれませんが、正攻法のバックリンク獲得策も、もちろんあります。
それを競合から学ぼう、そのためのツールの活用方法が今回のお話の主旨となります。
Ahrefsとは?
Ahrefsの日本語のサイトを発見しました。販売代理店のフルスピード社が制作しているのかな。
このページを見ればざっくりは理解出来ると思いますが、特筆すべき点として下記が挙げられます。
- 12兆もの圧倒的に巨大なリンクデータを保有し、3兆のURLを網羅しています。データベースは現在も増え続けています。
- 40億のWebページと2億のルートドメインを毎日クロールしており、常に新鮮なデータを提供し続けています。
※2017年1月現在
またこのInternet Live Statsというサイトを信じると、現在のサイトの数は約12億なので、Ahrefsの「40億のWebページと2億のルートドメインを毎日クロールしており」を見ると、世界中のサイトはほぼカバーしていると考えられます。
実際に私もAhrefsを使ってみて、日本語のサイトも問題なくクロールされています。 私が運用しているサイトで、競合サイトを調べてみても合点がいきます。
そして、この誰も見ないBlog、「Webプロデューサーのノート」もしっかりクロールされていますしね(;‘∀’)
なので、乱暴に説明すると「データ量は、ほぼGoogle検索」です。
ですから競合サイトのことが詳しく調べられるわけですね。
当記事ではAhrefsの日本語サイトより、Ahrefsを使ってみたくなるコンテンツを目指しますよ!
競合分析で何を見るか?
前置きが長くなりました。本題に入ります。
Ahrefsは世界中のサイトをクロールしていますので、あなたの競合もほぼ間違いなくクロールされています。 競合分析のポイントをここでは上げていきます。
そもそも、どこが強い競合かを調べる。
狙いたいキーワードを登録すれば、どこが強い競合かはわかると思います。
もしかしたらキーワードがズレていて、強い競合を見逃しているかもしれませんが、それは次のチェックで拾えます。
どんなキーワードで集客しているか?
競合がわかれば、競合が自サイトが狙っているキーワード以外でどんなキーワードで集客しているか、どのページが一番集客できているかもわかるはずです。
狙うキーワードはそこでまた、見直しを行えば良いと思います。
また、狙うキーワードによって競合が強すぎて当分太刀打ちできそうにない、というケースもあるかもしれません。 その時は狙うキーワードの見直しの検討を行えばよいでしょう。
競合の集客できているページを見つけて内部対策を参考にする。
SEO内部対策の細かい点は省きますが、
- どんなtitleなのか?
- h1、h2は?
- 文章の長さは?
- 共起語は何を設定しているのか?
それらを調べて、自サイトに足りない部分を補完しましょう。
「あれ、自サイトの方が良く出来ている」
↓ ↓ ↓
その場合はバックリンクの問題が大きいです!
競合のリンクビルディングを参考にする
ポイントとしては、
- 競合のバックリンクのドメインの数と質
- 競合がどんな種類のサイトからバックリンクをもらっているのか?
メディア、Blog、ソーシャル、企業サイト、、、
あんまり詳しく言えないのですが、バックリンクをもらうために、サイトどころかビジネスモデルを変えている会社もいるぐらいです。
内容が薄くて申し訳ないですが、私の仕事に差し支えるので、リンクビルティングについてはこのぐらいの言及に留めておきます。
競合サイトがブラックハットをやっていないかチェック!
もし競合がブラックハットをやっているのなら、どしどしGoogleに申請しちゃいましょう。
遠慮することはありません。こちらは真面目にいいコンテンツを作り、正当なバックリンクを獲得しているわけですから。
もしかしたらGoogleのアルゴリズム改善にも貢献できるかもしれません。
競合のソーシャルをチェック
SEOで強いコンテンツってソーシャルも強いケースがあります。 逆もまた然りです。
この記事にある相対CTRというのは、あくまでも私の感覚ですが、SEOの評価の基準として重要度が高くなっていると感じています。
SEOの教科書通りにtitleを付けるとどうしても、重要キーワードの位置や文字数、キーワード含有量など制約が大きいわけですが、それよりもユーザがクリックしたくなるtitleを付けた方が順位が好転するケースがあります。
それは相対CTRが高いから順位が好転している可能性が高いです。
Ahrefsは競合サイトのソーシャルで跳ねているコンテンツをチェック出来ますので、それを参考にすると良いと思います。
また、ソーシャルでたくさんシェアを稼いでいるコンテンツは、バックリンクを多数獲得している場合があります。
当ブログでも役に立つコンテンツはリンク張っていますしね。
注目しているキーワードの新しいコンテンツをチェック
競合も必死です。
日々コンテンツをアップしています。
Ahrefsは狙っているキーワードの新規コンテンツをチェックできます。
それをチェックして、必要ならば自サイトにも入れてしまいましょう。
これを読んでる人には釈迦に説法ですが、丸パクリはご法度です。
せめてコピーチェックツールのチェックは行いましょう。
自サイトのチェック
当然ですが、Ahrefsは自サイトのチェックも行えます。 分析出来る内容は自サイトも競合も特に変わらないので、基本的には先に述べたことをチェックすれば良いですが、特筆すべき点をあげていきます。
自サイトに向けた危険な被リンク
あなたが例え不正なバックリンクを設定していないとしても、競合があなたのサイトの順位を落とすために不正なバックリンクを貼るケースは珍しくありません。
この記事にもある通り、実はSearch Consoleでアラートが上がり、バックリンクのチェック、バックリンクの否認まで行えますが、私としては自サイトのバックリンクは一通り把握されていた方が良いかと思います。
リンクジュースを渡す
例を挙げながら説明します。
- 自サイトがワインの通販だったとします。
- 「白ワイン チリ」というキーワードで自サイトのコンテンツページが5位と良い位置にランクインしました。
- 5位のページよりもランディングページにしたいのはCVポイントに近い「白ワイン チリ」の商品一覧ページ。
この場合の対策として、コンテンツページから商品一覧ページへ、一方通行の内部リンクを貼り、リンクジュースを渡すという方法があります。
リンクジュースについてはこちらの記事がわかりやすいかと。
「白ワイン チリ」について、何個かコンテンツを作成し、商品一覧ページへ一方通行の内部リンクを渡せば、意図するLPになるかと思います。
分析ツールがあれば、良い順位のページを発見しやすいですし、LPが意図していないページであれば、この作業を行えば良いと思います。
バックリンクの偏りをチェック
極端な話ですが、トップページにだけバックリンクが張られていると、トップページで狙っているキーワードだけしか強くなりません。
キーワードがシンプルなサイトなら良いですが、あるジャンルでロングテールを狙うなら、いろんなページに対してバックリンクが張られるような施策を考えた方が良いでしょう。
自サイトのいろんなページにバックリンクが欲しい。
↓ ↓ ↓
オウンドメディアという方法が有効ですね!
オウンドメディアについては、いずれ深掘りしたいなと思います。
自サイトへのバックリンクのリンク切れをチェック
自サイトのサイト構成を変えたときに、リダイレクトの設定が漏れているケースは少なくありません。
Ahrefsはバックリンクのリンク切れもチェックできますから、過去のバックリンク資産を生かすためにも、リンク切れをチェックしてリダイレクトの設定をしましょう。
参考にするのは競合だけではない!
これすごく重要です! もし、自分の業界がWebとかSEOとかが弱い業界で、競合があまり参考にならないというケースだとさらに重要です。
例を挙げて考えてみましょう。
WebとかSEOが弱い業界、例えば「医療用品の通信販売」と仮定します。
※.なぜ、「医療用品」がSEO弱そうと思ったかというと、「医療用品」で検索しても広告をほとんど見ないからです。 間違ってたら業界の方、ごめんなさいm(__)m
医療用品の通販は、
- 購入者は法人というか、病院。
- そこそこ多品種。
- 商品に結構説明が必要。
- 法律とか厳しそう。
という感想をもってますが、要はB to Bだと思います。
「B to Bで競争が激しい業界のリンクビルディングは参考になりそうかな」という仮説をたてて、別の業界のことを調べることは非常に有用です。
私だったら「家具の卸」とか調べるかな。なぜなら広告が多いんです。
「3. 商品に結構説明が必要」については例えば「美容」業界が参考になるかもしれません。コスメなんかはほとんど液とか粉なので、説明が無いと売れない商材です。
※.美容業界の方、言い方が悪くてごめんなさいm(__)m。実は私も美容業界経験者なので許してください。
もしくは同じ医療の括りで、「医療系人材の転職」業界もアリかもしれません。 ビジネスモデルは違いますがターゲットは近いので、コンテンツの作り方は参考になると思います。
コツとしては、商材は違ってもビジネスモデルが近いサイトの方が参考になると思っていますが、最初のうちはたくさんのサイトを調べてみることをお勧めします。
競合分析は果てしない!
ここまで読んでいて、これを競合の数、キーワードの数だけやるのは大変かと思ったと思います。
そうなんです!競合分析は果てしjぴgじゃpjgp@zj@fがpぎじゃ
競合のレベルや集客に掛けている広告費などを鑑み、場合によってはSEO分析、競合分析の専任を設けても良いと思います。 コストは掛かりますが、広告はフロー、SEOはストックです。 上手にバランスを取ることが重要です。
SEOって一番重要なのは経営判断なんです!
番外編、順位をチェックするのみのツールはどうなの?
あまり、キーワードのバリエーションが無い時は、このGRCという日本製のツールもアリです。 基本的には順位チェックのみの機能ですが、何と言っても圧倒的に価格が安いのが魅力です。
GRCのコスト:年間で4,860円~(2017年6月現在)
AhrefsやMOZに無い機能については、くまなく競合サイトを調べればカバー出来なくはないです。
何を選ぶかは、キーワードの量、難易度、調査コストのトレードオフで考えればよいと思います。
最後に
AhrefsやMOZはあくまでも分析ツールです。 分析をいくらやっても実行に移さなければ改善になりませんので、何をやるか?を考えることは大事なことです。
当記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
そして、実は私も日本の会社で分析ツールを開発していた時期があります。プログラマとして。
どちらかと言うとエンジニア目線の方がAhrefsやMOZの凄さに驚きます。
SEOの分析というのはデータの量は半端ないし、分析する軸も多様だし、そしてこれが1万円/(月)台~で利用出来るのはどうしてだ!となるわけです。
Ahrefsはエンジニアとしての自分の力量がある意味良く分かったツールでもあります。
おれってもっと出来る奴だと思ってたよ。。。
*1:ブラックハットSEOとはGoogleの穴を付き、検索上位に表示させるテクニックです。「ブラックハットSEO」で検索すれば情報はたくさん出てくるでしょう。
メディアをビジネスとして理解する一番の近道は「媒体資料」を読みまくること
私が初めてWebメディアの仕事をしたとき、とりあえずメディア事業について学ぼうと試みるのですが、メディアビジネスそのものの情報って意外と少ないんですよね。
メディアを概念的なものとしてではなく、商売としてどう成立させようか考えたときに、一番参考になったのが「媒体資料」です。
媒体資料とは、業界の人には釈迦に説法ですが、主にはそのメディアの各広告の価格表と、購読しているユーザの数・属性について書いているものです。
稲森和夫の言葉に「値決めは経営」という言葉がありますが、その言葉にならうと、「媒体資料をどう定義するかということは、メディア事業の経営そのもの」と言えるかと思います。
この「媒体資料」ですが、Webで公開されているものも多いので、今回はそれを見ていきたいと思います。
※.2017年5月調べ
TechCruchの媒体資料
TechCrunch
まずは私も読者のひとりである、TechCrunch日本版の媒体資料から見ていきます。
IT業界の人間なら一度は見たことがありますよね。海外の事情はSNS経由でTechCrunchをチェックすることも多いと思います。
媒体資料は下記のページからダウンロードできます。
http://advertising.aol.jp/techcrunch/
TechCrunch日本版のユーザ属性
TechCrunchの冒頭に端的にユーザ属性が書いてあります。
- 首都圏に住む、20代~40代の男性ユーザー中心
- 起業意欲が高く、米国と日本の最新IT関連情報を日々チェック
とあります。何となく納得。
そして、媒体資料を見ていて興味深いのは、
- ユーザの役職で経営者・役員クラスの割合が15.2%もある。
- 情報をシェアする方の割合が多い。
とあります。
経営者・役員の方々はソーシャルの世界でもインフルエンサーな場合が多いと思いますので TechCrunchのシェアが回ってくるよなーという私の体感とも一致します。
TechCrunch日本版の広告の価格
比較的メジャーなPCのレクタングルバナー(300×250)の価格だけ抜粋します。
レクタングル(PC):100万(75万imps想定)2週間
広告の種類としてはPC4種類、SP1種類存在します。ビジネス系なので、あまりSPを重要視していないのかな。
意外に思ったのがネイティブアドが無いんですよね。
で、TechCrunch本体の方を見るとやっぱりネイティブアドありました。
ネイティブアドも含めて日本版にない広告もいろいろありそうです。
ただし、残念ながら価格まではわかりません。
https://techcrunch.com/advertise/
これは私の考察ですが、TechCruchは世界で通用する技術やサービスの情報がベースだと思われるので、日本で閉じた内容の記事広告というのは、TechCrunch日本版を見ている読者の期待と合わない、だから日本版ではネイティブアドが無いのかと想像しています。
AppBankの媒体資料
APP BANK
スマホアプリ・ゲームとかガジェット系がメインのメディアです。
現代らしいメディアですよね。
下記ページから「【AppBank】2017年4-6月媒体資料」の媒体資料がダウンロードできます。 http://www.appbank.net/2009/10/26/iphone-news/59019.php
AppBankのユーザ属性
月間1,200万UUのモンスターサイトですね!
メインユーザーは20・30代の若手サラリーマンのようで、男性が78%と偏ってますね。 携帯ゲームのコンテンツが多いのですが、やっぱり男性の方が攻略方法を調べるところから、この男女の偏りは来るのかな?とも思いました。 ガジェットのコンテンツもありますし、男に偏るのは納得です。
Twitterのフォロワー数も26万超えていて、Facebookの6倍近くあります。
これは若い人が多いからFacebookよりTwitterの方が圧倒的に多いよなーという考察もできますし、TwitterはFacebookよりは匿名性が高いのでゲームというジャンル上、相性がいいのかなとも思います。
AppBankの記事広告の価格
- ネイティブ広告(SP):15万(600万imps想定、1週間)
- インリード動画広告(SP):30万(100万imps想定、1週間)
広告資料を見ていると携帯ゲームがメインの媒体だけあって、スマホの広告が充実しています。
動画広告もゲームには相性がいいかもしれません。
ELLE ONLINE日本版の媒体資料
もともと紙から発生した歴史のあるファッションメディアです。
メディア事業は海外の方が10年進んでいるという考え方があります。 日本の出版社の場合、紙媒体からWeb媒体を作るのって苦手なイメージがありますが、ELLE自体は元々海外のメディアですから、やっぱり上手ですよねー。
下記ページから「エル・オンライン媒体資料 2017.03-06 ver1.0」の媒体資料がダウンロードできます。
http://www.hearst.co.jp/brands/elle/media_kit_digital
ELLE ONLINE日本版のユーザ属性
- ユーザの平均年齢は32.9歳。
- 約7割が未婚の女性。
- 3割が東京在住のユーザ。
- 6割以上が有職者。
私はELLEのユーザでは無いので、ふーん( ´_ゝ`)って感じなんですけど、うがった見方をしちゃうと、6割以上が有職者→有職者が7割以下だと仮定すると、既婚でも有職者の方もいらっしゃいますから、未婚なのに働く必要が無い人がいるぞ!と嗅ぎつけちゃいました。
ちなみにショッピングエリアのランキングがあり「1位:銀座、2位:表参道、3位:渋谷・新宿」です。
男性誌の場合は購買力を表現するために、媒体資料にユーザの年収分布を入れているのをたまに見かけますが、ELLEの場合はショッピングエリアで表現出来ていますね。 お金の匂いがプンプンです!
ELLE ONLINE日本版の記事広告の価格
プレミアムジャック広告(1週間、58万imps想定)の640万に溜息が出てしまいますが、 おもしろいのはカテゴリごとに価格が全然違うバナー広告です。
- レクタングル or マウスオンエキスパンド
- ファッション:60万(10万imps想定、1週間)
- ビューティー:60万(10万imps想定、1週間)
- グルメ:45万(15万imps想定、1週間)
- インテリア:8.4万(2.8万imps想定、1週間)
- ウェディング:5万(2.5万imps想定、1週間)
ファッションとビューティーのimps単価が一番高いのがわかります。 単純にELLEに掲載するとファッションやビューティーが売れるというのもあるかもしれませんが、個人的には、業界ごとの予算における広告費の割合、の感じもしないではないです。 私自身はコスメ業界になぜか縁が多いのですが、コスメは他の業界と比べて広告費の割合は大きかったですしね。
まとめ
今回はターゲットもコンテンツも全く違う媒体資料を3つ見ました。
我ながらうっすい考察だなーと思いましたが、to Bだからimp単価が高いとか、ハイファッションだからimp単価が高いとか、そんな単純なものではなく、各媒体ごとにユーザのこと、広告主のことを考えて広告メニューを作っている、というのは伝わってくるかと思います。
あと、デジタルマーケティング的には媒体資料でユーザ属性が詳細にわかるわけですから、その属性にはどんな広告が良いのか、そこも参考になりますよね。
次回はコンテンツくくり、ターゲットくくりで見ていった方が、各社の違いが見えると思うので、もっと深い考察を目指しつつ、当記事は入門編として参考にして頂ければ。
そして、媒体資料を探すのに良いサイトを見つけたので、それも共有しておきます。 media-radar.jp
最後にメディアビジネスを理解するのに一番おすすめの本を記載しておきます。
冒頭の言葉と矛盾するようですが、メディアの仕事をしていて、これを読んでない人は本当に損をしています!
MEDIA MAKERS―社会が動く「影響力」の正体 宣伝会議 https://www.amazon.co.jp/dp/B00AQZLZ2G/
5年後、メディアは稼げるか―Monetize or Die? https://www.amazon.co.jp/dp/B00DZF2HBC/
紙からWebのデザインを始めるデザイナーさんに知っておいて欲しいこと
今までたくさんのWebデザイナーさんと一緒に仕事をしてきましたが、中には紙のデザインしか経験が無い・Webデザインの経験が薄い方もいました。 その経験をもとに、ノンデザイナーの私が偉そうに書いてみますね!
- Webは紙と違い、デバイスが複数あることを認識する
- Webはクリックされて始めて見られる
- コーダーの仕事、HTML・CSSを理解する
- Webは更新できる
- 広告のサイズを頭に入れておく
- 納品物がいろいろある
- 見る・読むのは人間だけではない
- Webはすぐ参考にできる、マネできる
- Webは計測できる!
- Web業界、IT業界のコミュニケーションを理解する
- 最後に
Webは紙と違い、デバイスが複数あることを認識する
WebはPC、スマートフォン、タブレットという形で複数のデバイスで表示することが前提です。 なので紙で言う台割にあたるワイヤーフレームもPC、スマートフォンで2種類作るケースが多いわけです。 これはたぶん頭ではわかっているとは思いますが、実際にどんなところに影響してくるかというと、
- 各デバイスのデザインで画像の縦横比はなるべく揃える
これをやっておかないと、画像の加工の手間が半端なく増えます。 もちろんクリエイティブに拘るサイトは手間をかても良いと思いますが、 どんどんコンテンツを増やしていくようなサイトだと運用の手間も増えてしまいます。
- 今の時代の主流はスマホ、「スマホファースト」
BtoBのサイトは除外しますが、スマートフォンの流入の方が多いサイトが主流となっています。 Googleの検索数も2015年にはスマートフォンがPCを上回っています。
Yahoo Japanは「スマホファースト」を数年前にうたい、今では業界の常識となっています。 でも我々は普段PCで仕事をしますから、この常識を忘れてしまうことが多々あります。 実際、PCのワイヤーフレームから書き始めてそれをスマートフォンにした際に、要素が多くなりすぎて入りきらない、ゴミゴミしてしまうことがまだ見受けられますよね。
Webはクリックされて始めて見られる
書店に置いてある雑誌はお客さんが手に取って見てくれますし、電車の中吊り広告もたくさんの通勤者に見てもらえますし、会社案内のパンフレットは営業が配ってくれます。
ただしWebの場合は
Googleの検索をクリックする。
Facebook、Twitterのシェアをクリックする。
広告文、バナーをクリックする。
だいたいこのクリックを経由して始めてサイトが見られるわけです。
また紙であれば、その紙媒体を買った人はページをめくってくれることを期待できますが、サイトに来た人にいろんなページを見てもらうには、やはりクリックしてもらわなければいけません。
何が言いたいかというと、クリエイティブのこだわりがこのクリックと喧嘩しちゃダメってことです。 「格好良い!」けど「わかりにくい」ナビゲーションやUIを作ってしまうとクリックを促がせない、サイトを回遊させられません。
コーダーの仕事、HTML・CSSを理解する
まさかIllustratorでデザインを渡しているデザイナーはいませんよね!? まさかレイヤーがぐちゃぐちゃなまま渡してないですよね!? これはどんな仕事でもそうですが、チームの他メンバーの仕事を理解していないと良い仕事は出来ません。
そしてデザイナーのデザインをWebの形にするのがコーダーです。デザインを構造化してコードにするとも言い換えられます。
これは見出しなのか、小見出しなのか、ナビゲーションなのか、コーダーが一目でわからないデザインはユーザにとっても優しくありませんし。 私がデザイナーさんを探すときにも、これかなり重要視しています。
Webは更新できる
これは本当大きいですよね。 コンテンツの量も無限大に足すことができますし。 更新出来るメリットとして他には、例えば納期がもし厳しい場合、フェーズ1のデザイン、フェーズ2のデザインみたいな形で分割して納品することも可能です。
あとサイトを作ったら終わりではなく、むしろ始まりという考え方なんですよね。 デザインも更新出来る前提が求められます。
広告のサイズを頭に入れておく
サイトによっては広告エリアを設けるサイトがあると思います。また広告を出稿してサイトに集客する場合もあると思います。 どちらの場合でもこの広告のサイズにならってサイトをデザインしておくと運用が楽になります。 広告はたくさんのクリエイティブを作ってパフォーマンスを上げていくものですからね。
あと、この広告のサイズには名前が付いていて「レクタングル」とか「スカイクレイパー」とか言えるようになると、ちょっと格好良くなれます。 ぜひ「おれ、わかってる感」を演出してください。
納品物がいろいろある
どんなものがあるかというと、
サイトのデザインデータはpsd形式で。
ピクトグラムなどはsvg形式で。
PCサイトのfavicon、スマホのアイコン
FacebookやTwitterのアイコン、カバー写真。
などなど。これ、頼んでもないのに納品してくれるデザイナーさんは惚れちゃいます。
見る・読むのは人間だけではない
紙媒体を見るのはほぼ人間ですが、Webの場合はクローラもサイトを見ます。Googleで検索したときに該当するページを結果として返すことが出来るのはこのクローラがサイトを巡回しているからです。
そしてこのクローラと人間の大きな違いは画像に対する認識です。クローラは画像を理解する力がどうしても人間よりも弱いわけです。 SEO対策という言葉を聞いたことがあると思いますが、言い換えるとクローラにサイトを理解しやすくするということです。
例えばファッション雑誌の場合はタイトルと写真だけで成立するものが、Webの場合はクローラが画像の認識が弱いため、説明するための文章が必要になります。
誰かの言葉を借りて私はよく「Webは紙より説明的に」という話をしますが、その理由のひとつにこのクローラの存在があります。 SEO対策的にクリエイティブがNGということもありますので、そのときはディレクターやマーケッターと相談してデザインを作ると良いと思います。 クリエイティブのためにSEOを捨てて良いというサイトはほとんどないですからね。
私もSEOの仕事をしていて、たまに意見が割れることがあるので「デザインとSEO」については深堀したいなーと思うところです。 アンカーリンクのテキストは英語の方が格好良いけど、SEO的には日本語の方が良いことが多いよーとか、h1はなるべく上にもっていきたいよーとか、デザインに絡むことって結構あるんですよね。
Webはすぐ参考にできる、マネできる
もちろん紙でもマネが出来ると思いますが、Webはこのコストがすごく低いです。 競合のチェック、デザインの方向性の詰め、サイトの構成、すぐ参考に出来ます。
「僕らのターゲットはこんな属性だけど、競合がこんなテイストだから、我々はこのテイストでいこうか。」
みたいな伝えるのが難しいことが、PCでいろんなWebサイト見ながら会話が成立します。 これ、当たり前みたいに聞こえるかもしれませんが、デザインのディレクションで出来ている人は意外と少ないです。
Webは計測できる!
Webの良いところとしてWebは計測出来るという大きなメリットがあります。
やはり結果が数字として出てくるのはモチベーションんにつながります。
Webのアクセス解析と言えばGoogle Analyticsがデファクトスタンダードですが、ぜひ基本的な使い方を覚えていただきたいです。
例えばどんなシチュエーションがあるかと言うと、
- 直帰率の高いページがデザインの力で低くなった!
- バナーのCTRが倍になって広告の流入が増えた!
これ、感動しますよ!「より多くのターゲットの心が掴めた」ってことですから。
Web業界、IT業界のコミュニケーションを理解する
それなりの規模のサイトを作るとなると、スキルの異なるメンバー間でコミュニケーションが多数発生します。そしてこのコミュニケーションはコストという考え方をします。
コミュニケーションコストについては当記事でも書いています。
そのコストをなるべく減らすためにBacklogやRedmineなどのタスク管理ツールや、チャットワークやSlackなどのチャットツールが存在し、チームの中でルールを決めてそのツールを使います。 それも効率的に良い成果物をアウトプットするためです
会議の考え方も異なります。会議も成果物をOutputする場として考え、無意味な定例会議みたいなものを嫌います。 意思決定、成果物の定義、設計のFixなどなど、これらは非常に大事な成果物です。 そのせいか、他の業界と比べてIT業界は会議の技術であるファシリテーションやロジカルシンキングを理解している人が多いと思います。
あと心に留めた方がよいことは、
会議中の内職、チャットが結構許される。
電話嫌いが多い。
メールの件名がわかりにくい、メールが検索しにくい人はキレられる。
「さん」付けが結構許される。お客様に対しても。
こんなところでしょうか。礼儀よりも合理性を重視する文化だと思えば理解しやすいと思います。
最後に
ここまで読んでて、もしかしたら「Webは表現の制約が多いなー」とか「ルールが多くて覚えるのが面倒だなー」と感じたかもしれません。
ただ一方でインターネットがなぜここまで普及したかというと、情報を流通するコストがすごく低い、伝えやすいわけでです。
デザインも人に見られてナンボです。 ぜひこの制約を武器に変えていただけたらと思います。
あとこの文章を書いていて思ったのは、これはデザインをレビューしてもらう際にレビュアーにも知っておいて欲しいことだなと思いました。レビューアーは経営陣だったり、営業さんだったりWebを知らない人も多いですからね。
編集さん向けにも書きました!